ハローワーク求人票と活用の方法

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東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
この地域の有効求人倍率は1.1~1.5前後となっており、令和に入る前と比べると下がってきていますが、まだまだ求職者が足りていない状況が続いています。
求人のご相談や求人票の添削を依頼されることも増えてきているのは、人手不足が慢性化していることも影響している気がしています。

さて、今回は求人票の書き方と注意点について以下の3点にまとめました。

  • 直近の求人倍率の推移
  • 求人票を書く際のポイント
  • 求人票に書いてはダメなこと

直近の求人倍率の推移

求人数と求職者の割合

まずは求人倍率という言葉ですが、一般的に「求人数÷求職者数」で出される倍率のことを指しています。そして、新規求人倍率と有効求人倍率という2つの倍率を発表しています。
求人数が5名のところに求職者が10名いれば、「5÷10=0.5」となり、求人倍率は0.5倍となります。
逆に、求人数が10名のところに求職者が5名いれば、「10÷5=2.0」となり、求人倍率は2.0倍となります。
つまり、1を下回るときは企業は人を選びやすくなり、求職者は希望の企業への就職の難易度が上がります。1を上回るときは、企業は選ばれる側となり人手不足となりやすく、求職者は希望の企業に就職しやすくなるでしょう。

今回は、直近8月の厚生労働省や各都道府県の労働局が発表している有効求人倍率からデータを拾いました。

令和7年8月※参考
R6年平均
※参考
H30年平均
愛知県1.261.281.95
岐阜県1.551.631.93
三重県1.141.161.71

平成30年はまだコロナ禍前ではありますので参考値ですが、当時と比べるとだいぶ下がってきていることが分かります。落ち着いてきていると見ることもできますが、ご相談を受ける経営者から聞くところではまだまだ人手不足であるという印象が残ります。
これは業種や企業規模を決めずに集計しているデータということも言えるかもしれません。私が顧問に入っている企業は小規模ですので、より一層厳しい状況となっていると言えます。

求人票を書く際のポイント

ハローワークを活用する

求人を出す場所を運営しているところにはいろいろな会社があります。私が以前所属していたリクルートではタウンワークやリクナビ、Indeedというサービスを提供しています。
余談になりますが、厳密に言うとタウンワークやリクナビなどのサービスは2025年4月からIndeed Japan株式会社の運営となっています。
他にも多くの会社で求人を出すことができますが、ほとんどの場合は有料となっていますが、今回取り上げるハローワーク(公共職業安定所)は無料で活用することができますので、活用しない手はありません。

無料とは言え、ハローワークインターネットサービスの1日当たりのアクセス数は令和5年度末時点で240万件となっています。(引用元:ハローワークインターネットサービス
閲覧数としては上位に入るサイトが無料で使えますので、積極的に使っていきたいところです。
使う上でのポイントを私なりに厳選してまとめたものが以下の4点となります。

①どんな人に見てもらいたいのかを決めているか
②使える文字数はいっぱいまで使っているか
③分かりやすい表現、伝わる言葉で書いているか
④画像の活用はできているか

独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)が2011年に調査したもので興味深いデータが発表されています。求人票のどこを見ている時間が長いかをアイトラッキングで追いかけたものです。
一部引用ですが、全体では以下の順位となっています。
1位:仕事の内容
2位:就業時間
3位:就業場所
4位:休日等
5位:所在地
※全文はこちら。29ページ目以降にアイトラッキングの画像もあります。

現在の就業別、男女別、年代別でも集計をしてくれていますが、それぞれで順位が変わっています。
集客の支援でもよくお話しますが、どのような人に見てもらいたいかを意識することは採用の場面でも同じだと考えられます。
見てもらえる時間は限られていますが、魅力が伝わらなければ二度目はありませんので、魅力が伝えれるような内容を、分かりやすい言葉で、文字数いっぱいまで書くことも忘れてはいけません。たまに、1行だけの求人票を見ますが、伝えたいことはもっとあるはずです。
実は見落とされていますが、ハローワークインターネットサービスには画像を10枚まで貼ることができる機能があります。あまり活用しているところはありませんので、使ってみることをお勧めします。

求人票に書いてはダメなこと

法律違反となる表現はしない

採用に関わる法律は、労働基準法だけでなく、たくさんの法律があります。職業安定法や男女雇用機会均等法なども関わってきますし、他にもまだまだあります。

一つ一つを説明していくととても長くなりますので、厚生労働省が出しているリーフレットのリンクとあわせて3つのポイントと関連法令を整理しておきます。

年齢による制限の禁止(労働政策総合推進法第9条)
性別や身体的条件による制限の禁止(男女雇用機会均等法第5条、第6条)
国籍などの制限の禁止(労働基準法第3条)

意図せずに出してしまうこともあるかもしれませんので、今一度よく見ておく必要があります。
ハローワークの求人の場合は一度職員さんの目が入りますので、まずい表現があれば連絡が来る印象ですが、求人主体は企業ですので責任を持って対応できるようにしておきましょう。

終わりに一言

思うように求人ができずに苦労しているときに活用したくなるのがハローワークですが、ただ出すだけではなく効果的な出し方をできるとよいなと思います。
求人票の添削や再掲載などの定期的なフォローも請け負っていますので、求人にかける時間が足りないという経営者の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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