実務経験と事務指定講習

社労士試験

東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
社労士と名乗るためには試験に合格した上で実務経験が必要になります。

さて、今回は実務経験の代わりになる事務指定講習について以下の3点にまとめました。

  • 社労士の登録要件
  • 事務指定講習とは
  • 実務との関連性

社労士になるためには

社労士会にある名簿に名前を登録することで初めて社労士と名乗ることができます。

登録するためには

社労士試験に合格していること
2年以上の実務経験があること、もしくは連合会が実施する事務指定講習を修了していること
とあります。
今まで事務経験がないと2年は難しいのかもしれません。ただ、事務指定講習という制度で実務経験に代えてもらうことができるため、どこかの事務所で修行を積むことは必須ではありません。その点はいいですね。

試験を受けるためには

すぐ登録できないこともそうですが、試験にも受験資格があります。
大きいのは学歴の要件があることです。もし学歴の要件を満たせなくても、実務経験や他の資格を取得することで受験資格を得る方法もあります。
試験を調べている方であれば見ていると思いますので、詳しくは割愛します。

事務指定講習とは

事務指定講習は大きく二つに分かれています。

通信指導過程

・通信指導課程(4月間)
教材によって自己学習し、研究課題の報告による通信教育方式により添削指導を行います。

全国社会保険労務士会連合会

合格翌年の2月〜5月頃の4ヶ月間に指定された課題をすべて提出すると修了です。
最初見たときは、4ヶ月もあるのかと驚きましたが、スムーズに進めば24時間くらいで終わったので、土日を活用すればそんなに時間はかからないです。
提出する書類は全部で60枚あり大変そうですが、全部が新しい学びになりとても楽しいです。ただ、法人の情報は何度も同じことを書くので辛かったです。
内容は、架空の会社を設立してから解散するまでを見ていきます。各場面で起こる出来事に必要な書類を作成していくという流れです。書類を選ぶ必要はなく、並んでいる順番に書いていけば大丈夫です。
試験勉強では書類名としてしか出てこない書類を実際に書いてみて、提出したら3週間くらいで先生の添削付きで戻ってきます。テキストを見ながらやったのですが、赤ばっかりの書類が戻ってきました。

早いと2月の前半には終わっている方もちらほらと出てきます、私もそうでした。ただ、他にやることがあるのであれば、無理に詰め込む必要はなかったなと思っています。
理由は二つありまして、
いくら早く終わっても次の過程には進めません
振り返りまでしても次の過程までには時間があります
ということから、ゆっくりとテキストを見ながら、書類の書き方を学んでいっても遅くはありませんでした。

ちなみに、時期は重なりますが、合格後で事務指定講習待ちになった方はこれらの資格に挑戦してみてください。
年金アドバイザー3級(10月・3月)、2級(3月)参考
メンタルヘルスマネジメント検定2種(11月・3月)参考
給与計算実務能力検定3級、2級(11月・3月)参考
ファイナンシャルプランナー検定3級(5月・9月・1月)参考
なければいけないものではないですが、社労士試験の延長線上で勉強できるものもありますし、完全な未経験ですと実務上にも生きます。
年金アドバイザー2級は同期の合格者や登録済みの方でも落ちていると聞きますので、受けるならまずは3級がいいかもしれません。

e-ラーニングor面接過程

eラーニング講習か面接指導課程は、申込時に選択できます。後からの変更はできません。

・eラーニング講習又は面接指導課程
eラーニング講習は講習科目について、1科目3時間の講習を行います。(オンデマンド配信)
面接指導課程は講習科目について講義形式により4日間(1科目3時間)行います。(映像投影による研修)

全国社会保険労務士会連合会

どちらも映像による講習ですが、よほどのことがない限りeラーニングを選べば問題ありません。
面接指導過程の場所を失念したのですが、会場が近いのであればありかもしれないです。確か、通信環境が準備できない人は、というようなことが書かれていたような気もします。こちらは選択していないので割愛します。

eラーニングは1科目3時間×8科目ありますので、全部で24時間となります。各科目で6本の動画があり、1本あたりは30分となっています。各科目にテストがありますが、合否には関係ないということが書いてあるので心配なく回答して大丈夫です。
視聴完了報告ボタンを押し忘れたり、途中でタイムアウトになると再視聴が必要になるので注意が必要です。早送りはできません。

内容は、科目ごとの説明を受けます。その中で実務上の留意点なども教えてもらえるので、聞いていて飽きることはなかったです。
いえ、嘘です、少しは飽きます。試験勉強で学んだことの復習も入っています。ギリギリで受かっている身なので、理解していない部分があるのでそこは復習ということでよかったです。

実務との関連性

実務経験がない方にはとても参考になる

実務で使う書類を書いたり、実務に即した留意点が聞けるなど、今後生きてくることも多く含まれています。
ただ、電子申請のことや、開業のこと、顧客獲得のことは含まれていません。もっと実務上知っておくといいことはあるので、あくまでスタートラインに立つための知識装着という位置付けの通りでしょう。
仮に1年ほど実務を経験していて、まだその職場に在籍しているのであれば受けなくてもいいのではと考えています。どちらにしても1年くらいはかかりますし。

転職をせずとも1年弱で実務経験の代わりとしてくれる事務指定講習は非常に助かる制度だなと感じました。

終わりに一言

登録後にも研修はありますし、ハローワークや年金事務所の方も親切に教えてくださいます。

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