東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
今年度以降、社会保険の取り扱いが段階的に変わっていくことが通知されています。
すぐに何か対応が必要となる事業所は少ないかもしれませんが、今後に備えてご準備いただくとよいかもしれません。
さて、今回は年金の壁に関わる年金制度の改正について以下の3点にまとめました。
- 年収の壁
- 被扶養者の認定
- 年金制度の変更点
年収の壁
106万円の壁
パートで働く方の勤務時間の増加や賃金の上昇によって、最初に影響が出てくるのが【103万円の壁】と【106万円の壁】の二つの壁になります。
【103万円の壁】は、所得税に影響してくる壁ですが、2025年度の税制改正で緩和されましたので、今回は割愛します。
では、106万円の壁とはどんなものでしたでしょうか。
以前は月額8.8万円以上の収入があることが要件となっていましたが、今後撤廃されることが決まりました。具体的な時期は決まっていませんが、法律の公布から3年以内となっていますので、近い将来にはなくなります。
企業規模の要件も2035年までに段階的になくしていくことも決まりましたので、加入の判断が月の勤務時間だけとなり、シンプルになります。

130万円の壁
そして、パートの方に影響が大きいのが【130万円の壁】です。
年収が130万円以上になると国民年金や国民健康保険の加入が必要となってしまうことから働き控えがでてくる壁を指しています。
これに関しては、関与先の事業所の従業員さんの勤務時間が伸び、年収が130万円を超えてしまったことがありました。扶養から外れてしまったため、負担が大きくなってしまうことになりました。
年収の壁に関しては、以前にもまとめていた記事がありますので、こちらもあわせてご一読いただけると幸いです。
被扶養者の認定
契約内容で判断
130万円の壁でも出てきましたが、被扶養者の認定についても2026年4月1日から変更があります。
社会保険に加入している会社員の配偶者で一定の年収未満であれば、被扶養者となることができます。
3月までの認定では、過去の年収、現在の年収、将来の年収の見込みから判断されていましたが、企業側に人手不足や繁忙期などの事情があって年収が増えてしまうこともあります。その場合は、事業主がその旨を証明することで引き続き扶養に入ることができるような制度でした。
4月以降は労働契約で定められた賃金などから見込まれる年収で判断されます。
同一世帯の確認や他からの収入の確認も含めての判断ではありますが、労働条件通知書に記載されている賃金(諸手当や賞与も含む)が130万円未満であれば原則として被扶養者として認定されることになります。
元の文章は以下のリンクから確認できます。
労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて(保保発1001第3号/年管管発1001第3号)
年金制度の変更点
在職老齢年金制度
在職老齢年金制度の支給停止調整額は、年金を受給しながら働く高齢者で、賃金と年金を合算した額が一定額を超えてしまうと年金が減額される制度です。
少しずつ増加していき、2026年4月からは62万円まで引き上げられます。
これにより、年金を減額されることなく受け取ることができるようになるため、高齢者の働き控えによる人手不足を解消できる狙いがあるようです。

遺族年金制度
遺族年金制度も見直しがありますが、少し先の話になります。
遺族厚生年金は、男女間や死別時の年齢によって内容が違っていました。
女性の社会進出の増加にあわせて、男女間の差が解消されます。
また、少しややこしいですが、父母と生計が同じ子どもは遺族基礎年金を受け取ることができませんでした。
2028年4月からは子どもでも遺族基礎年金を受け取ることができるように変わります。

終わりに一言
パートで働いている方が多い事業所では、今回の改正の影響は多少あるかもしれません。
106万円の壁や被扶養者の認定など、内容はシンプルになっていますので、一つ一つしっかりと対応していけば問題ありません。書類の整備や対応でお困りの方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。

