東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
来月から始まる「子ども・子育て支援金」の制度ですが、あまり問い合わせがなかったため意識していませんでしたが、給与計算をする上で影響があることに気づいたので調べてみました。
SNSなどでは独身税などと言われていることもある制度ですので、気になる方も多いのではと思います。
さて、今回は子ども・子育て拠出金の目的と制度について以下の3点にまとめました。
- 制度の目的
- 開始月と負担額
- どんな影響があるか
制度の目的
子育て施策の拡充
未婚化や晩婚化、仕事と育児の両立の難しさが言われ始めてもう長いですが、相変わらずこの傾向は変わっていません。
国としても流れに任せるだけでなく、様々な施策を出していますが、その一つが子育て施策になります。
若い世代が希望通りに結婚し、安心して子育てができる社会を実現するためにこども家庭庁が取り組んでいます。(子ども・子育て支援制度)
子どもを預けることができる施設を増やすための取り組みとして、認定こども園の設置や給付金を出すなどして増やしてきました。預けることができる施設が増えることで待機児童が減少すれば、育児休業から会社に復帰もしやすくなります。他にも学童などの支援や相談員の設置といった取り組みも行っています。
また、児童手当の拡充や育児休業給付金の増額も発表されています。
これらの取り組みを行うためにはお金がかかりますが、それを広く社会全体から徴収するようになるのが子ども子育て支援金となります。
この制度が発表されたときは独身税などど言われていましたが、実際には独身に限らず医療保険に加入しているすべての人が負担する制度となります。
開始月と負担額
段階的に上がる
令和8年4月分からは、今まで給与や賞与から控除されていた社会保険料に「子ども・子育て支援金」が加算されて控除されます。翌月末までに会社が同額を加えて納付する仕組みは同じです。
最初となる令和8年度の保険料は0.23%を会社と労働者で折半することになるようですが、段階的に上がることが想定されています。
どの程度まで上がるのかが明らかとなっている資料を見つけることはできませんでしたが、最初よりは上がっていくことは間違いなさそうです。
協会けんぽが発表している最初の保険料率の0.23%ですと、月収30万円の人で690円となります。年間で換算しても1万円前後となる方が多くなりそうです。こども家庭庁のページには協会けんぽ以外の方の案内が出ていますが、健保組合で一人550円、国民健康保険で一世帯300円、後期高齢者で一人200円を想定しているようです。
料率があがったとしても健康保険料や厚生年金保険料と比べると少額ですが、控除されるものが増えることには変わりないです。
どんな影響があるか
メリット
メリットを受ける方は子育てに関わっている方となります。
対象者別に見てみると以下のようになります。
●子育て世帯
児童手当が拡充されることで、家計にとってプラスとなります。
医療福祉に使われれば、子どもの進学や医療費が軽減されます。
●これから結婚を考えている人
妊婦のための支援が拡充されることで、出産を前向きに考えることができるようになります。
育休時に受け取る育児休業給付金の額が上がることで、育休中の生活が楽になります。
預けることができる施設が充実すれば、育休から社会復帰がしやすくなります。
●経営者
育児を理由とした離職が減ることで、人材の安定した確保ができるようになります。
男性の育児休業や女性の育児休業の取得を推進することで、助成金を受け取ることができます。
個人事業主の育休中の国民健康保険料が免除されることで、経済的に安定します。
●社会全般
子ども産み育てやすい社会がもっと広がれば、少子化に歯止めがかかるのかもしれません。
少子化に歯止めがかかれば、経済の成長が期待でき、所得として帰ってくるかもしれません。
人口が減少している今のままでは、経済の成長はどうしても鈍くなってしまいます。
人口を増加させるための手が打てればいずれは経済成長が見込め、会社の成長や労働者への還元という良い循環が期待できます。
独身税と言う表現をされているように、子育てを支援する制度ですので子どもがいない世帯以外には直接的な恩恵は少ないのかもしれません。
デメリット
●全員
負担額が増えることで、手取りが減少します。
手取りは確かに減少しますが、実は健康保険や介護保険の保険料率は毎年のように改正されています。例として標準報酬月額が30万円の場合の直近数年間の保険料の推移をまとめると以下のようになります。
令和5年度と比べると実はそんなに変わっていませんので、デメリットと言っても限定的です。
| 岐阜県 | ①健康保険料 | ②介護保険料 | ③子ども・子育て支援金 | ①+③ | ①+②+③ |
| 令和8年度 | 14,700 | 2,430 | 345 | 15,045 | 17,475 |
| 令和7年度 | 14,895 | 2,385 | 0 | 14,895 | 17,280 |
| 令和6年度 | 14,865 | 2,400 | 0 | 14,865 | 17,265 |
| 令和5年度 | 14,700 | 2,730 | 0 | 14,700 | 17,430 |
| 愛知県 | ①健康保険料 | ②介護保険料 | ③子ども・子育て支援金 | ①+③ | ①+②+③ |
| 令和8年度 | 14,895 | 2,430 | 345 | 15,240 | 17,670 |
| 令和7年度 | 15,045 | 2,385 | 0 | 15,045 | 17,430 |
| 令和6年度 | 15,030 | 2,400 | 0 | 15,030 | 17,430 |
| 令和5年度 | 15,015 | 2,730 | 0 | 15,015 | 17,745 |
終わりに一言
税金や社会保険料の引き上げは悪い側面に目が向きがちですが、メリットの部分にも目を向けると見方が変わって新しい発見でした。
4月からは給与計算も対応が必要となりますので、これを機に対応を変えたいなどのご相談がありましたらお気軽にお問い合わせください。
