東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
人事制度と言われても、中小企業ではなかなか作成ができていないところが多いのではないでしょうか。
評価や賃金のルールが社長の発言一つで決まってしまっているという声もよく聞きますが、これでは従業員は何を頑張っていいのか分からなくなってしまいます。
さて、今回は人事制度の大切さとどのように育成につなげるのかを以下の3点にまとめました。
- 人事制度とは
- 等級、評価、賃金の制度とは
- 育成につなげるために
人事制度とは
生産性向上のために必要
人事制度と言われたときに、「うちは中小企業だから」、「人事部とかないから」など作成していない経営者をよく見かけます。
果たして、本当にそうでしょうか。
人事制度は大企業に向けたもの、人事制度を運用するにはお金がかかるもの、というイメージは変わりつつあるのかもしれません。
では、私が考える人事制度とはどんなものでしょうか。
それは、経営者の「カンコツ」(勘や経験、コツで判断してしまうこと)で人材管理をしないこと、であると考えています。
色々な経営者のお話を聞く機会がありますが、昇給をどうしようとご相談いただいたり、好き嫌いで評価したり、逆に全員一律となっていることは少なくありません。
勘や経験というものももちろん大事ではありますが、従業員の全員が社長の頭の中が見えているわけではありません。
自分が何をどれくらい頑張ったらどうなるのか、そこが見えていないとモチベーションが低下したり、最悪の場合離職してしまうということも起こってきます。
逆に、何をどれくらい頑張ればどうなるのかを体系的に示してあげることで、従業員もやりがいを持って働け、将来の働く姿もイメージができるようになるのではないでしょうか。
やりがいを持った従業員が増えることで生産性が高い働き方ができるようになり、最終的には会社の業績が上向いていくという好循環を作ることができるようになります。
等級、評価、賃金の制度とは
人事制度の主要なものとして、「等級制度」、「評価制度」、「賃金制度」の3つを取り上げてみます。
等級制度とは
等級制度とは、従業員に求めるスキルや経験、言動を体系化して示したものとなります。
会社によっては、グレードと呼ぶところもあります。
縦と横のマトリックスで、年次と求めるスキルで段階を作ることもあります。
ある一定の等級以上にならないとマネジメント層になれなかったりするということを言語化したものになります。
評価制度とは
評価制度とは、従業員の働きぶりを評価していくことです。
ただ単に「頑張ったね」伝えるだけではなく、会社の業績やお客様への貢献度、従業員の将来像に迎えているかの点からフィードバックをしてあげることが重要となります。
上司や経営者からの評価だけではなく、本人が自分をどのように評価しているのかと言うところも確認をしておいた方が、納得感のある評価をすることができます。
賃金制度とは
賃金制度とは、等級などに応じた基本的賃金と役職や業務内容に応じた変動的賃金があります。
前述の等級が上がれば給料があがるということはイメージがしやすいですが、意外と責任だけ増えて基本的賃金が責任に見合うほど上がっていないというケースも見かけます。
頑張ることで賃金があがるというものが可視化されていれば、従業員はそれに向かって努力することもできます。
育成につなげるために
企業ごとに作成する
インターネットで検索すると、賃金制度の記事や制度の例などがたくさんでてきます。
大企業にお勤めされていたことがある方であれば、当時働いていたときの制度を流用するということもできるでしょう。
ただ、大企業と中小企業では持っている経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)がまったく異なります。
そのため、同じものを流用するだけでは、うまく回るとは言えないかもしれません。
もちろん、一部のやり方で参考になるものを流用する分にはよい結果となることもありますので、全部が全部をダメと言うわけではありません。
ここでお伝えしたいのは、会社に合ったものを「わざわざ」作成することが大事です、と言うことです。
そして、作成したらそれで終わりではなく、運用していく上で気になったことを修正したり、会社の規模やステージによって見直していくことも必要となります。
これらができていないと、絵に描いた餅になりかねませんのでご注意ください。
自社を盛り上げて発展させてくれる従業員が、働きやすくやりがいを持って働ける場所としていくか否かは、経営者次第かもしれません。
終わりに一言
今まで、顧問先だけでなく、スポットでも人事制度のお手伝いをするしてきました。作成や見直しの前に比べて、従業員さんがモチベーション高く働けているというお声をいただけて、作った甲斐があったなと思えています。
自社の人事制度についてご不安がある方は、ご相談だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。