国民皆保険と民間保険

社会保険

東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
日本では国民皆保険と言い、全員が何らかの保険に加入していることになります。

さて、今回は国民皆保険について以下の3点にまとめました。

  • 国民皆保険制度とは
  • 保険適用の範囲
  • 民間保険に頼るところ

国民皆保険制度とは

国民が全員保険に加入する

健康保険法は日本で最初に制定された、昭和2年から施行されているとても古い社会保険に関する法律です。
職業や年齢により加入する保険は異なりますが、すべての方がどこかに当てはまることになっています。

被用者保険健康保険会社員とその家族
船員保険船員とその家族
共済組合等公務員等とその家族
地域保険国民健康保険自営業者、退職者等
後期高齢者保険原則75歳以上

被用者保険の方には家族が含まれているため、働いている方に扶養されている場合は月々の保険料の負担なく保険を受けることができます。

保険適用の範囲

業務上以外の病気やケガ

対象となるのは、病気、ケガ、死亡、出産になります。業務上の災害は労災保険が対象となっています。

病気やケガの時
病院に行くと保険証を出します。そのおかげで高齢者以外であれば原則3割の負担で医療を受けることができるようになっています。
入院となった場合の療養費も支給されますが、個室を利用した分など一部は保険の対象とはならないものもあります。
もし保険証を忘れてしまった場合、当日は10割負担になるかもしれませんが、手続きすれば10割負担にはなりません。忘れた旨を医療機関の窓口で伝え、対応を教えてもらいましょう。

死亡した時
死亡してしまった場合には、埋葬のための費用が支給されます。

出産した時
出産にはお金がかかります。その時にかかった費用のため一時金の支給があります。一旦自分で受け取って医療機関に支払うこともできますし、直接医療機関に支払ってもらうこともできます。
妊娠85日以上の出産であれば、お子さんの生死に関わらず支給されます。
また、妊娠している期間と出産後の期間の一部は労働基準法で働くことが禁止されています。お給料がなくなっても困らないよう、雇用保険と健康保険から給付を受けることができるようになっています。

入院や手術など高額のお金がかかった時
月にかかる医療費が一定以上となると、高額療養費が支給されます。
例)月収30万円の人がある月に合計100万円の医療費がかかってしまった
3割負担ですので負担しているのは30万円のはずです。ただし、高額療養費として約21万円が戻ってきます。そのため、実際に負担するのは約9万円ということです。
さすがに毎月となると厳しいですが、近い期間で複数回あると多数回該当ということで上限が5万円弱になるため、負担はもう少し軽くなります。

怪我をして働けなくなった時
療養のため休業した時には傷病手当金が支給されます。本来の業務ができないことや3日間の待機期間があることから少しハードルが高いですが、無理して治療が長引いてしまうより専念して早く復帰をしてもらえた方が双方にとってメリットが大きいです。

民間保険に頼るところ

公的保険が弱いところには

ある程度の範囲であれば医療保険の範囲でカバーができそうですが、万能ではありません。
高額療養費のところで出てきた例ですが、安くなったとしても月9万円というお金は大金ですし、100万円も費用がかかっているということはお仕事にも支障が出ているかもしれません。
手術や入院の時に一時金が出る保険や、入院した1日に対して出る保険などがあるので、心配な方は検討してみてもいいかもしれません。
個人的に民間の保険で必要だと感じているのは、自動車保険(自動車に乗る人は)、火災保険、養育しているお子さんがいる家庭の生命保険(掛け捨て)、個人事業主の休業補償あたりでしょうか。

民間の保険は商品として売っていて長い期間にわたり成り立っています。保険料収入以上の給付にならない価格設定になっているのだと思います。
何か起こってからでは遅いのが保険ですので、あってよかったと思うこともあるかもしれません。

終わりに一言

もともと必要性を感じていなかったため、民間保険は付き合いで入っている一つだけです。

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