美容師の評価制度とモチベーション向上

営業支援

東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
リクルートに在籍中から美容師の目標設定や評価制度については何度かご相談を受けていましたが、当時は人事制度の専門家ではありませんでしたので具体的なことまでは踏み込んだご提案ができませんでした。
しかし、多くの美容院で試行錯誤されている内容であるというのは実感しているところです。

さて、今回は美容師の目標管理と評価制度について以下の3点にまとめました。

  • モチベーション向上の重要性
  • 目標管理制度と評価制度とは
  • 成功させるためのポイントは

モチベーション向上の重要性

顧客満足度の向上につながる

美容師のモチベーションを向上させることのメリットはいくつもあります。
・顧客満足度の向上
・サロンの活性化
・離職率の低下
・売上の増加

逆に、美容師のモチベーションが低いままのサロンは、上記と逆のことが起こる可能性が高いということです。
これが美容室に限った話ではありませんので、サービス業という無形商材を扱っている会社の多くに言えることです。
モチベーションを向上させるためには、適切な目標を設定してあげて、適切に評価していくことが重要となります。

目標管理制度と評価制度とは

目標管理制度

目標を設定するときに、どのように設定しているでしょうか?
・昨年対比○○%
・社歴ごとで一律
・本人の宣言
・社長の独断

これらがすべてダメだとはいえませんが、概ねうまくいかないことが多い例と言えます。
特にこれらの目標が実績と比較して高すぎる場合には、モチベーションを低下させてしまう恐れがあります。
逆に頑張るという人もいますが、多くの人は明らかに届かない目標に対しては努力しようという意識が薄れてしまうことでしょう。

目標設定の目安となるものにSMARTという考え方があります。
・Specific(具体的): 達成度が明確に分かる
・Measurable(測定可能): 数字で測れる目標
・Achievable(達成可能): 努力次第で達成できる目標
・Relevant(関連性がある): 会社の目標と一致している目標
・Time-bound(期限がある): 達成期限が明確な目標

美容師の場合、数字の設定をどこにおくかも重要となります。
個人売上、指名売上、店販売上、客数、指名客数、などはよく聞きますが、設定を間違えると新人はどれだけ努力しても達成にほど遠く、ベテランは努力せずとも達成し続けることができるようになっていることも何度も見てきました。
これだと、誰に対してもよい目標だとは言えなくなってしまいます。
一番モチベーションが高まるのは、少し頑張れば届く高さの目標に対して努力するときだとも言われています。

評価制度

目標を達成できたとき、またはできなかったときにどのように評価されるかという点もモチベーションに大きく影響します。
達成したという結果に対しての評価と、達成に向けて努力したという過程に対しての評価を適切にすることで、次も頑張ろうという気持ちになってもらうことが目的にあります。

そのための評価方法として、以下の項目を使って総合的に判断することが重要と言えます。
・数字で見える達成度
・顧客からの評価
・上司の評価
・同僚の評価

これらの評価どの頻度で行うか、どのような形で行うかを明確にしておくことも忘れてはいけません。
いきなり呼び出されて評価されるのは心臓によくありません。

評価の結果は言葉だけでなく、賞与や昇給の基準としておくことで今後のサロン内での成長の道しるべとすることもできます。

成功させるためのポイントは

定期的な見直しと改善

成功させるためには最初に作った制度が完璧であると考えず、定期的な見直しと改善が必要となります。
最初に作るときもですが、改善していくときにも反発が起こることも想像されます。
事前にしっかりと説明した上で、中長期の視点で変えていくつもりで考えていきましょう。

そのために、上司と被対象者がしっかりとコミュニケーションをとることも欠かせません。
評価の納得性が低いとそれ以降は努力することをあきらめてしまうことも考えられますし、目指している美容師像にはどう頑張ってもなれないような内容であれば転職を考えてしまうことも考えられます。
従業員とのコミュニケーションを増やし、改善していくための意見があれば積極的に吸い上げていきましょう。

そして、忘れてはいけないのが、透明性と公平性がある評価をしていくことです。
人間ですので、相性は少なからずありますが、混同してはいけません。

終わりに一言

従業員を雇っているサロンでは、何らかの目標や評価が必要になります。なんとなくでやっていて従業員のモチベーションが低いとお悩みのサロンがあれば、一度見直しを検討されてみることをお勧めします。やり方にお困りであればご相談に乗っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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