年金制度の収支額と積立金の運用

社会保険

東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
よく色々なところで日本の社会保険制度の問題点を耳にします。
何も考えずに頼り切ることはよくないことはその通りなのですが、せっかく覚えてきた社会保険制度の現状を改めて確認してみたいと思います。
今回は私が確認した情報だけで書いていますので、記事の内容に関しての責任は負いかねます。

さて、今回は年金制度の現状について以下の3点にまとめました。

  • 年金の収支
  • 年金基金の運用益
  • 今後どうなるのか

年金の収支

年金の収入

日本年金機構では毎月統計を発表しています。
今まではしっかりと見たことがありませんでしたが、今回はしっかりと見てみました。
古いものは平成22年度からありますが、最新の統計が8月分でしたのでまとめるのに少し時間がかかっているのかなと思います。
※年金機構側の収入は私たちの納付、支出は私たちの受給となります。
※国民年金の納付額は当該年度の納付率を元に算出していますので、過年度を加えるともう少し増えます。

では、年度ごとで情報が出ている直近5年分を表にしました。
令和5年の国民年金の納付額は約2兆円、厚生年金保険の納付額は約35兆円となり、合算で37兆円でした。ここ数年を見ると毎年35兆円くらいを徴収していることが分かりました。
参考までに約10年前の平成22年の情報も見てみましたが、合算は25兆円でした。国民年金の額が上がっていることもありますが、影響が大きいのは厚生年金保険の被保険者が6百万人増えていることが主な要因のようです。

(百万円)国民年金厚生年金保険
令和5年2,195,88735,170,192
令和4年2,180,74234,058,250
令和3年2,157,62833,353,477
令和2年2,114,18132,061,170
令和元年2,054,61632,619,675
https://www.nenkin.go.jp/info/tokei/index.html

年金の支出

支出も同じように直近5年分を表にしました。
令和5年の国民年金の受給額は約25兆円、厚生年金保険の受給額は約45兆円となり、合算で70兆円でした。毎年70兆円くらいを受給していることが分かりました。
同じく約10年前の平成22では、受給額の合算は55兆円でした。受給者が1000万人以上増えていることが大きく影響しているようです。

(百万円)国民年金厚生年金保険
令和5年25,110,89445,265,652
令和4年24,493,85544,185,771
令和3年24,499,46844,216,337
令和2年24,321,15343,986,884
令和元年23,974,27643,463,316
https://www.nenkin.go.jp/info/tokei/index.html

ここまでの収入と支出を見ますと、令和5年では37兆円の収入に対して70兆円を支出していますので、約33兆円の赤字ということになります。

積立金の運用

最新の収益率は+5.84%

年金の毎月の収支は大きくマイナスとなっていますが、年金制度が最初に始まった昭和17年以降何度かの改正を繰り替えし今の形となってくるまでに蓄積されたお金があるはずです。
膨大な積立金をただ保有しているだけでなく、運用していることも勉強するまでは知りませんでした。
直近で公表されている2025年度第3四半期の収益率は+5.84%で、収益額にすると約16兆円となっています。

収益額は年度によってバラバラですが、累積で見ると平成13年から令和6年までの23年間で約166兆円のプラスとなっていると発表されています。
令和に入ってからは比較的安定しているようで、令和5年は単年度で45兆円のプラスになっていました。

(百万円)資産額収益額
令和5年255,565,00045,359,600
令和4年207,991,0002,915,800
令和3年204,625,60010,049,400
令和2年194,518,60037,732,600
令和元年157,912,800-8,320,000
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei/tsumitate/index.html#article28report

今後どうなるのか

100年は持つ計算

これまで見てきたように、令和5年の単純な収支は約33兆円の赤字でしたが、最終的な収益額が約45兆円でしたので、運用益は約78兆円の黒字ということになります。同じように見ていくと、令和元年がもっとも低くて約24兆円の黒字となっています。
具体的な収益の結果が出てこないので断言はできませんが、平成22年の資産額が1兆円だった資産額が255兆円に増え続けているのには驚きました。
資産運用はプラスになるときばかりではありませんが、これだけの膨大な資産を運用しているので長い目で見ればプラスになりますので、すぐに破綻する制度ではないと感じています。

年金の制度は改正のたびにややこしくなっていますが、どうしたら続けることができるのかを考えて変わってきた結果なのかなというのが私の解釈です。

終わりに一言

社会保険全般は万が一のときに個人や会社を守るための制度です。
制度について気になることがあればお近くの年金事務所に行くと親切に教えてくれます。
弊所では、社会保険だけでなく、経営全般についてのご相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。

タイトルとURLをコピーしました