社会保険の取得漏れと遡及取得

労働法・労働保険

東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
新しく顧問先となるところの新規適用からお手伝いできることが増えてきた一方で、以前は自社や別の先生が顧問となっていたところからの切り替えもあります。
以前の手続きの控えをすべて保管されていれば確認できるのですが、そんなことばかりではありません。

さて、今回は社会保険の正しい取得のタイミングと遡及取得について以下の3点にまとめました。

  • 加入の時期
  • 雇用保険の遡及取得
  • 社会保険の遡及取得

加入の時期

雇用保険

雇用保険に加入するのは週20時間以上働いて、31日以上の雇用見込みがあることが要件になります。
次に説明する社会保険と比べると加入対象者が広く設定されています。雇用保険に加入していることで多くのセーフティネットが用意されていることや、代替となる公的保険が他にはないからでしょう。

一般の被保険者として加入の対象とならないのは次のような方です。
・法人の代表者や役員
・同居の親族
・学生

社会保険

社会保険(健康保険、厚生年金)に加入するかしないかは通常の労働者の4分の3以上働いているかで判断されます。一般的に週の所定労働時間は40時間としている会社が多いですので、週30時間以上働くのであれば社会保険には加入することになります。

では、4分の3未満であれば加入しないのかとなりますとそうではありません。次の4つの要件をすべて満たす場合は加入対象となります。
・週の所定労働時間が20時間以上である
・月の賃金が8.8万円以上である
・学生でない
・常時50人を超える事業所である(=特定適用事業所)

以上の雇用保険と社会保険をまとめますと以下のようになります。

雇用保険社会保険
いつまでに手続き雇い入れの翌月10日まで雇い入れから5日以内
どこにハローワーク年金事務所
いつから天引き当月翌月

雇用保険の遡及取得

6か月以上

雇用保険に加入できていなかったとしても、すぐに何か不都合があるわけではないため未加入のまま退職日を迎えてしまうケースも見かけます。
たまに、労働保険の成立すらできていないこともあります。
6か月未満の遡りであればまだよいのですが、6か月以上遅れると次の書類を提出しなければならなくなります。
・遅延理由書
・雇い入れからの出勤簿や賃金台帳
・労働条件の分かるもの

そして、原則2年までは遡ることができますが、2年以上前でも例外的に遡ることができます。
その場合は、雇用保険料が給与から天引きされていたことが分かる書類を一緒に提出する必要があります。

社会保険の遡及取得

加入要件を満たした時期まで

ここで言う社会保険は、健康保険や厚生年金保険を指しています。協会けんぽであれば手続きはまとめて年金事務所で行うことができます。
健康保険に加入していないと保険証が届かないので漏れることはあまり聞きません。健保組合で保険証を発行して、年金事務所に厚生年金保険の加入手続きをしていないということはあり得ますが、これもあまり聞かないです。
それでも取得が漏れていたことが分かった場合は、加入の要件を満たした労働条件で雇用されていたことが分かる書類を出して遡って取得することができます。

遡って加入することはできますが、いくつか注意点もあります。
社会保険の時効は2年間となっていますので、遡れる期間は最大でも2年間となります。
未加入の期間は会社や労働者が好きに指定できるものではなく、要件を満たすときまで遡ってしまいます。
日本は国民皆年金、皆保険ですので、会社で社会保険に加入できないときには国民健康保険と国民年金に加入することになります。その手続きは労働者が行ないます。社会保険に加入することで支払っていた国民健康保険や国民年金は戻ってくることになります。

終わりに一言

遡及は手間が増えますし、ハローワークや年金事務所も理由をしっかりと確認しますので、十分な準備をしておいた方がよいでしょう。
手続きの控えは事業所での保管が義務付けられています。万が一、お手元にないときは手続きをした人に確認して書類を受け取っておくようにしましょう。

手続きや給与計算、助成金などのご相談を多くいただいています。社内での処理が大変だなと感じ始めた経営者の方はまずはご相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。

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