65歳未満の退職と65歳以上の退職

労働法・労働保険

東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
何度か定年や65歳以上を雇用したときの助成金について記事にしていますが、退職する側の視点に立って調べたことがありませんでした。
たまに聞かれるのは、退職は65歳になる前がよいのかと言う点です。

さて、今回は退職の時期は65歳になった後か65歳になる前かについて以下の3点にまとめました。

  • 雇用保険の仕組み
  • 高年齢求職者給付金とは
  • どちらがお得なのか

雇用保険の仕組み

雇用保険の対象者

雇用保険に加入するためにはいくつかの要件を満たす必要があります。
①1週間のの所定労働時間が20時間以上であること
②31日以上の雇用見込みがあること
③学生でないこと
これらが代表的な要件となります。
該当するのであれば、アルバイトでもパートでも加入する必要があります。一部、季節労働者など対象外となるケースもありますが。

加入のメリット

雇用保険に加入していると、退職したときに失業保険(正しくは、求職者給付の中の基本手当と呼ばれる給付)が受け取れます。
他にも、教育訓練が受けれるようになったり、育児休業給付が受け取れるようになるなど、メリットが多くある制度になります。
日本のセーフティネットとして機能しているよい制度ではないかと感じています。

加入するメリットの一つである求職者給付はいくつかの段階に分かれており、多くの方は65歳未満で退職をしたときに受け取る基本手当を受給しますが、65歳以上で離職したときに受け取る高年齢求職者給付金という制度もあります。

高年齢求職者給付金

高年齢者に対しての一時金

65歳以上の年齢で失業した場合には基本手当を受け取ることができませんが、高年齢求職者給付金という一時金を受け取ることができます。
以下は基本手当と高年齢求職者給付金の比較になります。

基本手当(失業保険)高年齢求職者給付金
算定対象期間直近2年間直近1年間
被保険者期間12か月以上6か月以上
支給日数90日~330日30日分or50日分
支給タイミング毎月1回の認定日ごと一時金

「今まで頑張ってきた方なので、何度も通って失業保険を受け取るよりは一時金の方が都合がよい。再就職しても早く受給資格がもらえるよう、短くなっている。」
社労士を目指していたときに、とあるYouTuberの方がこんな感じでおっしゃっていた話で覚えた記憶があります。

単純に支給日数だけで見ると基本手当をもらった方がよさそうなものです。
ただ、支給のタイミングで見てみるとどちらがよいのかは変わってきそうです。

どちらがお得なのか

では、65歳以上での離職が損なのかという点について、大きく2つのパターンに分けて見ていきます。

少しのんびりするケース

人によっては約40年間働いてきた会社を退職し、退職金でもあれば少しの間のんびりしたいと考える方もいらっしゃるかと思います。
失業保険には、就職活動をしている人の支援という前提がありますので、働く気がないとそもそも失業保険も受け取ることはできません。ここが難しいところです。

就職活動をするために求人を検索したり、実際に応募して面接に行ったりという活動が求職活動としてカウントされます。
この求職活動が少ないと働く意思がないとみなされて受給できないような仕組みとなっています。

少しのんびりしてからでも、後で一時金を受け取ることができる65歳以上になってからの離職がよいかもしれません。

すぐに再就職するケース

すぐに再就職をするのがもう一つのケースです。
再就職を考えているのであれば選択肢が2つあります。
一つはそもそも失業保険を受け取らないという選択肢ですが、これを選ぶとここで終わってしまいますのでないものとして考えます。

もう一つの選択肢がなんらかを受け取るという選択肢です。
失業保険を受け取りつつ就職活動を行い、再就職が決まったら残りを再就職手当として受け取ることができます。再就職のタイミングにも左右されますが、最も多く受け取ることができる方法です。

離職時の年齢が65歳を超えていて高年齢求職者給付を受け取ったとしても、直後に再就職しても返還する必要はありません。上よりは少ないですが、一時金として受け取ることができることはできます。

すぐに再就職をするのであれば、65歳になる前に離職する方法がよいかもしれません。

終わりに一言

会社で定められている定年に近づいてくる方の悩みとしては多いような気がしていて調べてみました。
働けるうちは働くのが精神衛生上もよいと思っていますので、一助となる制度をうまくご活用ください。
最後にメリットとデメリットを簡単にまとめておきます。従業員の方への説明やセミナーも行っていますので、気になる経営者の方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。

メリットデメリット
64歳で退職日数が多い毎月就職活動する
月に1回以上ハロワに行く
65歳以上で退職一時金で終わる日数が少ない
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