週休2日制と完全週休2日制

労働法・労働保険

東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
事務所のウェブサイトには掲載していますが、支部の活動で学生さんに向けて、社会保険の勉強や働く上での注意点、就職活動で気を付けておくことをお話しする機会をいただくことがあります。
その資料を作成するにあたり各社の求人票を見ていたところ、休日欄の書かれ方がいくつかあるなということに気づきました。
改めて、どのような違いがあったのか気になりましたので調べてみることにしました。

さて、今回は週給2日制と年間の休日日数について以下の3点にまとめました。

  • 週休2日制とは
  • 完全週休2日制とは
  • 祝日の扱いと年間休日数

週休2日制とは

週に1日以上の休日があればよい

紛らわしい書き方となっていますが、週休2日制とは、毎週2日の休みがあるということではありません。
そもそもですが、労働基準法では休日を次のように決めています。

第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
②前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049#Mp-Ch_4-At_35

法律上は毎週1日は休日が必要ということですが、週休2日と表現するためには、「毎月1回以上、週の休日が2日以上あること」が必要となります。
図で表すと次のようになります。

見ていただくと分かりますが、勤務日数は月25日前後となることもあります。
求人票には次のように書かれてあったりします。
・週休2日制(土、日、月2回土曜出勤あり)
・週休2日制(月6日、シフト制)
・週休2日制(月、第2・第3火)

完全週休2日制とは

毎週2日以上の休みがある

完全と書かれているように、毎週2日以上の休みが必ずあるのが完全週休2日制です。
オフィス街で働くサラリーマンのように、毎週土日が休みというのがイメージしやすいかと思います。
それ以外にも、シフト制で曜日は固定されていないが、毎週2日以上の休みが必ずあるという場合もあります。

この場合の注意点としては、祝日がどうなっているかという点です。
土日が休みで月曜が祝日の場合、祝日である月曜は仕事ということもあります。これは企業により異なりますので確認が必要です。

祝日の扱いと年間休日数

働く時間に大きな差が出る

完全週休2日制の欄でも触れましたが、祝日を休みにするか出勤にするかは企業により異なります。
出勤としておいた方が労働力は確保できてよいですが、割増賃金の兼ね合いや他の求人企業との競争に負けてしまう恐れもあります。
人手不足と言われているご時世ですので、労働力は可能な限り確保しておきたいものですので、賃金額や福利厚生、働き甲斐などの他の要素とのバランスを取ることも必要となってきます。

年間の休日日数にも差が出てきますが、どの程度の差となるのでしょうか。2024年のカレンダーで見てみます。

週休2日制(毎週日+第2・3土休)完全週休2日制(毎週土日休)完全週休2日制(毎週土日祝休)
休日数52日+24日=76日104日118日
稼働時間290日*8時間=2,320時間290日*8時間=2,096時間290日*8時間=1,984時間

土日祝が休日となっている企業と比べ、週休2日の企業は年間の労働時間が300時間以上長くなることが分かります。
企業側から見ると、その分労働力を確保できるということになりますので、前述の注意点を踏まえて検討しておきたいところです。
月給の方は時間単価が落ちてしまうので避ける傾向が強くなるかもしれませんが、パートやアルバイトの方からすると、たくさん働けることで収入が増えてうれしいという側面もあるかもしれません。

なお、令和5年度就労条件総合調査によりますと、全国的には、「何らかの週休2日制」を導入している企業の割合は85.4%となっています。
さらに、「完全週休2日制」を導入している企業の割合は53.3%と半数以上であることが分かります。
「完全週休2日制」の導入企業は調査の対象となっている30人以上の企業のすべての事業規模で50%を超える結果となっています。
令和4年度の調査では48.7%でしたので、少しずつ完全週休2日制が浸透していっていると言えるかもしれません。
参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/dl/gaikyou.pdf

終わりに一言

私の前職は「完全週休2日制+祝日+自由に使える休日5日+有給休暇10日」という制度で、週4日稼働が当たり前の状況の会社でした。役職がある人はさらに休みが追加されるというよく分からない会社です。
自由に使える休日は、半期に5日付与されるのですが、有効期限が半期中で繰り越しができませんでした。
休みが多いのはうれしいことですが、やることは変わらないため、単純に平日の業務量が増えて大変なだけだったとも言えます。
単純に休みを増やせばよいという話ではなく、業務量や賃金、福利厚生や働き甲斐とのバランスが大事になります。求人票を出しているけれども応募がないという事業所がありましたら、添削や相談にも乗っていますのでお気軽にお問い合わせください。

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