補助金の実績報告と必要な書類

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東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
以前の記事で弊所の小規模事業者持続化補助金について書きましたが、つい先日は別の事業者から補助金の完了報告のご相談がありました。
私自身が補助事業者となって行う補助金でも感じましたが、他の事業者が主導で動いている補助金は把握しきれていないお金や人の動きがあることで、より大変さが増すなと感じたところです。
ただ、何か所かの書類を見ているうちに、実績報告で必要になる書類の共通点と見落としがちな書類にも共通点があることに気づきました。

さて、今回は補助金の実績報告に必要な書類について以下の3点にまとめました。

  • 必要な書類とは
  • 提出方法の種類とは
  • 見落としがちな書類とは

必要な書類とは

実績報告書

まず必要となる書類は、実績報告書と呼ばれる書類になります。
実績報告書の前半では、採択された補助事業で行ってきた内容やその成果をまとめます。
補助金ごとで決められた書式がありますので、フォーマットに沿った内容を記載していく必要があります。
補助事業が始まってから具体的にどんなことを行ってきたのか、行った結果どのような効果が表れたのか、今後のビジネスに向けての改善点などを網羅的に記載していきます。
分かりやすくまとめることも大事ですが、写真や表などを使い見やすくする工夫も忘れてはいけません。

実績報告書の後半は、使用した経費の内訳を示す書類となっていることがあります。別の書式で提出を求められる補助金もありますので、補助金の書式に従って記載していきます。
補助金で使用できる経費の中はいくつかの区分に分けられていることがあります。
小規模事業者持続化補助金では、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費などです。
それぞれの項目ごとで使用した経費を計算して、すべてを足し上げた合計金額が補助対象の経費となります。一般的には、補助対象経費の2/3や3/4が補助金の額となります。

その他の書類

実績報告書の後半でまとめた補助対象経費の内訳を示す書類がすべて必要になります。
細かいように感じるかもしれませんが、一部を抜粋して記載しておきます。
・見積書
・発注書
・成果物や納品書
・請求書
・振込明細
これらの書類を集めた上で、まとめていきます。
私用する経費の区分によっては、これらの他の書類の提出を求められることもあります。

提出方法の種類とは

紙かデータか

提出方法としては主に2種類があります。
紙で印刷したものをまとめて提出するか、PDF形式で読み込んだものを添付して提出するかになります。
補助金によっては、実績報告はデータで完了というものから、紙で提出するものもあります。
どちらか選べる場合はお好きな方を選べばよいのですが、あらかじめ指定されている場合もありますのでその場合は指示に従いましょう。

【紙で提出する場合】
形式やサイズの異なる上記の書類をA4サイズでまとめていく必要があります。
経費が増えてこればその分書類も増えてきますので、最終的にはとても分厚い書類ができあがるでしょう。
順番の入れ替えが容易なため、まとめたあとに入れ替えが発生しても対応が簡単にできます。データで受け取ったものを印刷する手間やコストがかかったり、紙で受け取ったものをなくしてしまうと請求対象から外れてしまうこともあるので注意が必要です。

【データで提出する場合】
必要な書類がそろってからPDF化していきます。
Windowsパソコンをお使いの場合、PDFの順番の入れ替えにはソフトが必要なことがありますので、最後に読み込みをする方が結果的に手間は少なくなるかと思われます。
データで受け取ったものを一度印刷してからまとめていくという手段を取りますと、手間やコストは紙での提出と変わらなくなります。
専用のソフトを導入して、PDFを入れ替えていくと手間とコストを大きく削減することができます。

見落としがちな書類とは

普段あまり使わない書類に要注意

補助金に採択されると補助事業の実行と並行して実績報告に向けての資料も集めていかなければなりません。
よく見落としてしまうのが、見積書や発注書です。
大きな会社であれば、見積書をもらってから社内で稟議をかけて発注書を出すことで正式に発注となることもありますが、中小企業ではこのやり取りはあまり多くは見かけません。
今までにも取引のあった企業が相手であれば、電話1本やメール1通で終わってしまうこともよくあります。
ただ、補助金の対象としている経費については、電話1本で発注したものは対象経費とみなしてくれません。
その都度、見積書をもらい、発注書を出してから動いてもらう必要があります。

領収書などは普段から保管する癖がついている方も多いと思いますが、発注の手順を上記のように行っている会社は中小企業にはあまり多くないかと思いますので、漏れないよう注意が必要です。

終わりに一言

補助金というと、国からお金がもらえるといういい側面に注目しがちですが、実績報告を迎えると細かい事務作業が待っており、書類集めが意外と大変だったりします。
申請時の内容と変わっている場合や必要な書類を揃えることができない場合には、最悪受給できないということも起こり得ます。
正しい手順を踏んで補助金を受け取り、事業のさらなる発展のために頑張りましょう。
補助金のご相談だけでなく、助成金のご相談や申請代行もおこなっておりますので、今後の事業展開を思い描いている方はお気軽にお問い合わせください。

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