東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
あまり多くはない相談事例ですが、最近ご相談いただいたのが事業の立て直しについてでした。
具体的に立て直しをしたいと言われてたわけではありませんが、内情を聞けば聞くほどに総合的な見直しをして再生に向けての動きが必要であるように感じました。
さて、今回は企業の再生のための考え方と手法について以下の3点にまとめました。
- 利益=売上-費用
- 売上を伸ばすために
- 費用を抑えるために
利益=売上-費用
どうすれば企業は生き残れるか
事業がうまくいかなくなっているとご相談を受けたときには、まずは外部環境の変化や内部環境の変化など、よかったときからの変化をヒアリングします。
特にここ数年は、新型感染症の影響を受けていた事業所が多くあったように記憶しています。
5類へ移行したのは令和5年のGWでしたので、もう2年半も前のことになります。
移動の制限はなくなりましたが、生活スタイルの変化が影響として残っている会社もあるように感じています。
事業を継続させるために重要な要素の一つとなるのが資金繰りではないかと考えています。
どんなに有名な商品であっても、製造に必要な製品を仕入れることができなければ売ることはできませんし、製造してくれる人がいなければ売上を伸ばすことはできません。
事業を行うときに自己資金だけで継続している会社もありますが、やはり借入をしている会社が多くあります。借入の返済ができないようでは、資金が回らずに事業の継続ができなくなってしまいます。
資金を集めるためには、利益を残す、借入をする、融資を募るなどの方法があります。
ここでは、利益を残すという視点で見ていきたいと思います。
利益は売上から費用を引いた残りで表されます。つまり、利益をより多く残すためには、売上を伸ばすか費用を減らすかという2つの選択肢があると言えます。
売上を伸ばすために
事業の内容を見直す
売り上げを伸ばす方法を分解してみます。
売れる商品を扱う
戦う市場を見極める
販促を強化する
売値を変える
上記は、4Pと呼ばれるフレームワークの視点で分解してみましたが、他にも様々な分解の方法があるかと思います。
事業の内容は、誰に・何を・どのように売るかを決めていくことに近いですが、外部環境が変わっているのであれば、それに合わせて見直しも必要になるでしょう。また、社内の人員や設備といった内部環境も変わっているかもしれません。
自社が得意なことを活かした新製品の開発や、自社をまだ知らない市場に展開することで新たな顧客を獲得できる可能性も高まります。
よかった時期がまた来るのではと安易に考えるのではなく、変化に対応できるような柔軟性も必要です。
費用を減らすために
VA/VEで考える
売上を伸ばすためにむやみやたらに販促費をかけていては、売上が伸びても費用も増えてしまい利益が残らないということもあります。
費用を減らすという視点で価値を考えたときにVA/VEという考え方があります。
これは価値=品質や機能÷原価で見ていきます。このときの分母にくる費用をさらに分解して製造原価と販促費に分けてみたいと思います。業種によって、どの費用が製造原価になるのか販促費になるのかは変わってきますので、多少の違いはご了承ください。
製造原価とは、製品を作るためにかかる費用を指します。
製造業などの何かを加工して提供する業種であれば、原材料や製造にかかわる労働者の人件費が製造原価となりますが、サービス業では直接的な製造原価はそれほど多くありません。
価値を維持したまま製造原価を下げる方法としては、ムリムダムラの削減によって原材料の使用が少なくなるように努力したり、効率的な仕組みの導入によって人件費を抑える方法があります。
販管費は、販売費及び一般管理費を省略した呼び方となります。
販売するためにかかった費用と、管理するためにかかった費用の合計額となります。販売費は、会社の営業担当者の給与や交通費、宣伝広告費などが代表的なものです。管理費は、役員報酬や事務所の家賃が代表的なものです。
販管費には意外と多くのムダが隠れていることがあります。営業は自由な職種ですので、ムダが隠れていることが多いです。費用対効果を精査していない宣伝広告費も見直しの余地あります。役員報酬は本当にその金額でないとダメなのかと気になることもありますし、社用車や住居なども身の丈にあったものなのかを見直すことも大事です。
機能に関係のない費用を抑えることで相対的に価値は上がりますので、利益を残すための一つとして検討するとよいでしょう。
終わりに一言
時代の先を行く必要まではありませんが、時代が変わっていることを認識して、合わせていけないと存続がどんどん危うくなっていきます。
客観的に見ていて気になるということは、社内でも分かっている人がでてきているかもしれません。
人が離れてしまってからでは立て直しはより難しくなりますので、今いる人材を大切にしながら一緒に立て直しができるとよいのかなと考えています。
人事労務の面だけでなく、経営の支援の実績も少しづつ増えてきていますので、まずはご相談だけでも構いませんのでお気軽にお問い合わせください。
