東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
私は社労士として仕事を請け負っていますが、独占業務である助成金だけでなく、補助金の相談をされることもあります。そんなところから、来年に施行される行政書士法の改正が少し気になっています。
さて、今回は行政書士法の改正と補助金の仕事について以下の3点にまとめました。
- 行政書士法の改正点
- 中小企業診断士の補助金
- 私の今後の動き方
行政書士法の改正点
行政書士の業務内容
行政書士となるためには、行政書士試験を受けて合格する他、公務員として20年以上勤務している人もなる資格があるとされています。
主には、官公署に提出する書類の作成や提出を代理することができる資格となります。
よく耳にしたり相談をうけることがあるのは、建設業許可や飲食店許可などです。これらの書類の作成や提出の代理は行政書士法に抵触してしまうので代わりにやることはできません。
e-GOV法令検索ではどのように規定されているのか見てみたいと思います。
第一条の二 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする。
第十九条 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。
第二十一条二 第十九条第一項の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
改正点まとめ
行政書士法が改正されるのは、令和8年1月1日からとなります。改正により、第十九条に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されます。
今までは、「コンサルタント料」という名目で補助金の報酬を受け取っていたことが罰則付きで違法となります。
改正により、明文化されるわけですが、改正前の条文を読んでも違法であることは規定されています。しかし、「コンサルタント料」などという名目で報酬を受け取っていたことが逃げ道として使われてしまっていたということもありました。
中小企業診断士の補助金
頼らない収益構造にする
今回の法改正でもっとも影響を受けるであろう士業が中小企業診断士です。士業に限らなければ、無資格で補助金申請を行っているコンサルティング会社も影響を受けることになるでしょう。
補助金の申請書の作成のために外部環境や内部環境を調査したり、そこから強みや弱みを抜き出して事業計画書をまとめることまでが今回の改正で指すところの「作成」になるのかという点は判断が分かれるような気がしています。
診断士となるための学習を行っている身としては、これらを適切に行うためには知識だけでなく経験も必要だと感じていますので、誰でもできる業務ではないような気がしています。
私の知人の中小企業診断士の先生たちは補助金を書いているばかりの人ではありませんが、経営コンサルタントとしての顧問契約を結び、助言や提案にシフトしていく必要があるのかもしれません。
ダブルライセンスを目指す
補助金を中心とした経営コンサルタントを目指したいのであれば行政書士の合格を目指すのも一つの手かもしれません。
私の今後の動き方
いずれは合格したい
改正の話を聞いたときは、行政書士も目指してみようかなと考えたこともありましたが、コロナ禍から数年間はずっと勉強づけでしたので、勉強は休んで営業活動に時間を割こうかなと考えています。
ただ、周りの中小企業診断士や行政書士の先生たちからの情報を集めつつ、必要であれば勉強してみてもよいのかなとも考えているところです。
複数の資格を保有している先生からお話を聞く機会がありますが、顧問契約とスポット契約の比率は人によってさまざまです。
弊所の仕事で言えば、顧問契約や給与計算という継続した業務から、36協定や年度更新や算定基礎などの年に1回しか発生しないスポット業務までさまざまあります。とは言え、ほとんどが顧問契約と給与計算ですので、使っている時間も売上もスポットでの仕事はほとんどありません。
補助金の相談も受けていますが、これもそこまで多くありません。今後補助金の相談が増えてくるようであれば、必要となることもあるかもしれませんが、すぐに必要ではないのかなと考えています。
終わりに一言
行政書士法の改正の話題が耳に入ってきたことと、来年以降に目指すものを探していたときに、せっかくならと思い調べてみました。
補助金をどう増やしていくのはまだ悩んでいますが、経営＋人事コンサルとして活動の幅を広げていく一年にしていきたいです。助成金や補助金も含めた経営改善の相談は今まで通り受けていますので、気になる方はお気軽にご相談いただければと思います。
