労働条件の明示義務とお問い合わせ

労働法・労働保険

東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
労働者を雇用した時には労働条件を明示しなければならないと定められています。ただ、実際はそうでもない企業があります。

さて、今回は労働条件を記載した書面について以下の3点にまとめました。

  • 労働に関する契約書とは
  • 交付がないとどうなるか
  • 労働基準監督署に行くと

労働に関する書面とは

似たものに、労働条件通知書と雇用契約書があります。

労働条件通知書とは

労働基準法第15条には、労働契約の締結に際し労働条件を明示しなければならない。と定められています。これはすべての労働者に対してです。
交付のタイミングは入社が確定した日(内定日)か入社日のどちらかです。
臨時の雇用だからとか、知りませんでしたは通じません。

必ず明示するべき項目と、定めをする場合には明示すればよい項目とに分かれます。

雇用契約書とは

雇用契約書は使用者と労働者の双方が雇用契約の内容を確認したことを取り交わす書面です。
労働条件通知書と違い、取り交わしの義務はありません。
ただ、可能であれば取り交わしておいた方がトラブルを未然に防ぐことになるでしょう。

交付がないとどうなるか

使用者側

使用者側に対しては労働基準法違反を問われます。
労働基準法には罰則の規定も設けられており、その中に労働条件の明示に対する違反があります。
労働条件の明示義務違反の罰則は30万円以下の罰金です。

労働者側

労働者側からすると、求人票に記載されていたことや面接時に聞いていたことと話が違うということが起こってしまうこともあります。
特に、入社の時期や賃金などは誤解が生じやすくなる箇所です。もし交付してもらえないのであれば、書面でもらうようにお願いしてみましょう。

労働基準監督署に行く

労働条件を口頭で伝えて終わりと考えている経営者や面接担当者もいます。ワンマン社長さんや小規模の企業に多い印象です。
入社を決めた会社に対して最初から不満を持っている労働者は少ないです。最初は期待や希望を胸に入社してきます。
数ヶ月経つ頃には、労働時間や賃金などが聞いていた話と違うことに気付いたり、社内のことが見え始め不満を抱く方も出てきます。そんな時になってようやく、聞いていた話と違うと言われることもあります。
労働条件を明示されていない、あれもこれもおかしい、と労働相談センターに行くことになります。これが労働基準監督署の中にあります。

問題がいくつか積み重なっていくと、対応は複雑になります。対応が後手に回らないよう早めに対処しておきましょう。

終わりに一言

こんな条件で働いてもらいますと明示して、安心して働くことができる環境を作るのも使用者の役目です。

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