SWOT分析と今後の方向性

営業支援

東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
前回の外部と内部の分析した結果を踏まえて、ようやく自社の今後の方向性を検討していくことになります。

さて、今回は分析結果をどう生かしていくかを以下の3点にまとめました。

  • SWOT分析とは
  • 戦略の方向性
  • 今後の戦略

SWOT分析

自社の強みや機会

SWOT分析は有名な分析手法ですので、名前を聞いたことがある方も多いと思います。自社をSWOTの4つの視点で分析する手法になります。ここで前回の記事の外部と内部の環境分析が改めて出てきます。

内部で出てきたものが次の2つになります。
・S(Strength=強み)
今まで経営を継続出来ていたということは、何かしらの強みがあります。
これから立ち上げようという方でも、今までの経験で培った強みとなる部分があるはずです。
ここでの強みとは、日本で一番の強みでなくても構いません。

強みを考えるのは、主観だけでは難しい部分があります。ある程度客観的に見ることや、時にはお客様や関係者に直接聞いてみることも見つけるきっかけとなります。
いくつか考え方はありますが、「目に見えるもの」と、「目に見えないもの」に分けてみるとよいかもしれません。
目に見えるものは、技術力、立地、製品などがあります。
目に見えないものは、知識や経験、人材や教育体制、お客様や取引先からとの関係性、企業風土や企業の歴史などがあります。

・W(Weakness=弱み)
弱みは、強みの裏返しになっていることもあります。強みに「技術力の高いベテランの従業員がいる」のであれば、弱みに「従業員の高齢化」があげられることもあります。
従業員のこと、資金繰りのこと、商品のことなどの視点から弱みとなる点を出していきます。

そして、外部で出てきたものが次の2つになります。
・O(Opportunity=機会)
・T(Threat=脅威)
周辺にいる人口の変化、流行の変化、為替や法改正などは、今後のビジネスを大きくしていく上での機会にも脅威にもなります。
同業他社が同じエリアに進出してくることは大きな脅威となるでしょう。

クロスSWOT分析

・強み×機会
自社の強みと機会を活かして、成長を狙います。
技術力の高いベテランの従業員がいて、観光客が増えているという機会があるのであれば、観光客に売れるような新製品の開発を手掛けるという方向性も考えられます。

・強み×脅威
自社の強みを活かして、脅威を乗り越えていきます。
技術力の高いベテランの従業員がいて、今の主力製品の流行が終わりそうという脅威があるのであれば、次の製品の開発や今の主力製品の改良などを考えていく必要があります。

・弱み×機会
機会を活かすために、弱みを補強するなどして克服していきます。
観光客が増えてきているが、従業員の高齢化により対応ができないのであれば対応できる人材の採用も必要となります。

もう一つ、弱み×脅威がありますが、弱みを克服する方法を行いながら、脅威を乗り越えるということは簡単ではありません。大企業であればここも考えていく必要がありますが、そうでなければ一旦は考えなくてもよいです。

戦略の方向性

戦略ポジション

戦略のポジションは、ヒト、モノ、カネ、情報の質と量を軸に、以下の4つに分けることができます。

自社のヒト、モノ、カネ、情報の質が高かったとしても、量が少ない場合はニッチ戦略を選ぶこととなります。

成長戦略

成長戦略は、製品と市場の視点を軸に、以下の4つに分けることができます。

今の製品を改良して同じ市場の顧客を拡大していくのであれば市場浸透となりますし、どちらかを新しいものにするのであれば新製品開発や新市場開拓となります。
一般的には、市場浸透が一番リスクが低く、多角化がリスクが高いと言われています。

差別化戦略

差別化戦略は、市場と自社の優位性の軸で、以下の4つに分けることができます。

業界一位でなければ、対象とする市場が狭いため、一般的には差別化集中戦略を選ぶこととなります。広い市場を対象とするのであれば差別化戦略もとれます。しかし、業界一位以外は、低価格で勝負することは避けた方が良いと言われています。

地位別競争戦略

競合と自社を地位別にポジショニングして、競合の少ない市場がどこかを見ていきます。縦軸と横軸の取り方は一つではないため、競合と差別化できる軸を選びましょう。

例えば、横軸に提供範囲の広さを取り、縦軸に提供製品の多さを取ります。
自社が提供範囲は狭く、提供製品が少ないのであれば、よりコアな商品を扱うことで他社との差別化を狙うこともできます。ここでの注意点は、狭い提供範囲の中に十分な購買人口がいるかということです。十分な購買人口がいるのであれば、範囲や製品を絞り込んでシェアを拡大することで成長していくことも可能となります。

今後の戦略

誰に、何を、売るか

ここまできて、ようやく「誰に、何を」売るかが見えてきます。
様々な視点から見てきたときに、他社がやっていない市場があったり、自社が支持される理由が見えてきたりします。
今までのお客様であった層から広げるという選択もあれば、狭くするという選択もあります。
今まで提供していた製品のままいくという選択もあれば、新しい製品で勝負するという選択もあります。

事業の立て直しや新しい事業に挑戦するときには、勢いだけで決めるのではなく、綿密に調査していくことが必要となります。
「どのように」売るかという点もありますが、人が頑張って行う人的販売、インターネット上での販促、口コミを使った販促など多様な方法が出てきます。どんな手段を選ぶかより、ここまでの分析や戦略がしっかりと立てれていることの方がとても重要なことです。

終わりに一言

計画を立てていこうとすると、どうしても何を売るかやどうやって売るかに目が向きがちです。本当にその市場で戦っていけるのか?どの強みを活かせばよいか?を考えておくことから始めてみるとよいでしょう。
事業計画や今後の戦略に困った際の支援も行っています。お気軽にお問い合わせください。

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