東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
会社や店舗を運営していくときの悩みの多くは、売上と人材に集約されると感じることが多くあります。
労働集約型のビジネスであれば、人を確保できるかが売上拡大に大きく関係してきます。いろいろな求人媒体がありますが、ハローワークなどの求人を使うことも有効な手と言えます。
さて、今回はハローワークなどの紹介会社を経由したときに使える助成金について以下の3点にまとめました。
- 活用した方がよい事業主
- トライアル雇用助成金
- 特定求職者雇用開発助成金
活用した方がよい事業主
従業員を雇っている事業主
まず、助成金は事業主の皆さんが納めている雇用保険料を財源に成り立っています。
一部は従業員の方から天引きしていますが、それ以上の額を事業主は負担しています。
従業員は退職したときの失業保険などで恩恵を得る機会がありますが、事業主にはそれがありません。
ただ、助成金の制度を知り、上手に活用していただければ、従業員も事業主も幸せになれるように設計されています。
ただ、誰でも受給できるかというとそうではありません。
冒頭で申し上げた通り、雇用保険料を財源としていますので、基本的には雇用保険の適用事業所である必要があります。
逆に言えば、従業員を雇っている事業所であれば申請することができるということです。
人手不足と言われて久しい今、これから新たに従業員を採用したいと考えていてもなかなか思うようにいかないという声も耳にします。
そんなときに、少しでも助けになるような助成金をご活用ください。
トライアル雇用助成金
助成金概要
こちらの助成金も比較的有名な助成金の一つではないかと思います。
職業経験が不足していたり、障害を抱えているなど正規雇用での就職が困難と思われる人を対象に、一定期間を使用雇用することで正規雇用へ切り替えるきっかけを作る事業主を助成しています。
他にも、建設業の人手不足解消のために、建設業に関係する若年層や女性のトライアル雇用も助成しています。
コース名 | 受給額 |
一般トライアルコース | 1人につき月額4万円(最大3か月) |
障害者トライアルコース | 精神障害:1人につき月額4~8万円(最大計6か月) 上記以外:1人につき月額4万円(最大3か月) |
若年・女性建設労働者トライアルコース | 1人につき月額4万円(最大3か月) |
労働者の条件
この助成金を活用した場合は、採用するのは誰でもよいわけではなく、いくつかの条件があります。
ハローワークや民間の職業紹介事業者の紹介で雇い入れることが求められます。ハローワーク経由の場合、トライアル雇用求人を提出することも忘れてはいけません。
また、求職者に関しても、現在定職に就いている人の転職は対象外となります。
過去2年間に2回以上の転職を繰り返していたり、離職期間が1年を超えている状態などのいくつかの要件を満たしている必要があります。
一言でまとめると、定職に就くことが難しく現に定職に就くことができていない人を試験的に雇用するということになります。
特定求職者雇用開発助成金
助成金概要
こちらはトライアル雇用助成金よりは知名度は低いかもしれませんが、ハローワークからご案内がされていますので、もしかするとご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
こちらも、未経験職への転職希望者、氷河期世代で安定した職に就けていない人、高齢者や障がい者や母子家庭などで就職が難しい人などをハローワークからの紹介で雇い入れた場合に助成されます。
この記事の執筆時点で6つのコースがありますが、ここでは3つをピックアップして記載します。
コース名 | 受給額 |
特定就職困難者コース | 60万円~最大240万円 |
中高年齢層安定雇用支援コース | 60万円 |
成長分野人材確保・育成コース | 90万円~最大360万円 |
労働者の条件
労働者は先ほどの助成金と似ていますが、コースによって若干異なります。
ハローワークからの紹介であるという点は共通しています。
コースによっては年齢制限があったり、母子家庭の母である必要があったりします。
それ以外にも、一部コースでは直近の正社員の期間が決められているものもあります。
この中でも比較的対象者が多く、採用してから即戦力として期待できるのは氷河期世代と母子家庭の母ではないでしょうか。
氷河期世代は新卒で正規雇用に就けなかった人が多く、それ以降も不安定な職を転々としているケースもあります。ただ、能力が低いわけではなく、世の中の状況でそうなってしまっただけという人もいます。
そして、非正規雇用でも様々な職を経験していることで、自社にない視点で業務に取り組んでもらえる可能性もあります。
終わりに一言
人手不足を解消できるだけでなく、助成金も受給できるというのは事業主にとってはうれしいですね。
採用コストが抑えられるので、その分を教育に使うこともできるようになります。教育に使った場合は、別の助成金の対象になったりしますので、ダブル受給も狙えます。
知らなくて申請していなかったということがないように、助成金の情報はつかんでおくようにしておきましょう。
弊所では助成金だけでなく補助金のサポートも行っております。どんなものがあるのか知りたいだけでも構いません、お気軽にお問い合わせください。