東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
7月25日に今年度の最低賃金改定の目安について公表されました。中小企業の経営者にとっては悩みが増える内容となっています。
さて、今回は年々上がる最低賃金とうまく活用したい助成金について以下の3点にまとめました。
- 令和6年度の最低賃金の目安は
- 業務改善助成金とは
- うまい使い道は
今回の結論としては、助成金は早めの行動が重要ということです。
令和6年度の最低賃金の目安は
全国平均で1050円を超える見込み
各都道府県の引上げ額の目安については、Aランク50円、Bランク50円、Cランク50円となっています。
ランク | 都道府県 |
A | 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 |
B | 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡 |
C | 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 |
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41785.html
仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,054円となります。この場合、全国加重平均の上昇額は50円(昨年度は43円)となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。また、引上げ率に換算すると5.0%(昨年度は4.5%)となります。
東海地区の最低賃金の目安は以下のようになる見込みです。
岐阜県や三重県では、全国平均以上の引き上げとなることが予想されています。
令和6年度目安 | 令和5年度 | |
県名 | 最低賃金(前年度比) | 最低賃金(前年度比) |
愛知県 | 1,077円(+4.9%) | 1,027円(+4.2%) |
三重県 | 1,023円(+5.1%) | 973円(+4.3%) |
岐阜県 | 1,000円(+5.3%) | 950円(+4.4%) |
全国 | 1,054円(+5.0%) | 1,004円(+4.5%) |
業務改善助成金とは
設備投資と賃上げを行う
業務改善助成金は最近問い合わせが増えている助成金の一つになります。キャリアップ助成金と比べ比較的シンプルなこと、賃上げや設備投資は企業の成長には不可欠であることからも需要があるように感じます。
簡単に制度をおさらいしておきます。
業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を30円以上引き上げ、生産性向上のための設備投資を行った場合に、設備投資の一部を助成してもらえるものとなります。
業務改善助成金については昨年に詳しく書いていますので、こちらの記事もあわせてご確認ください。
うまい使い道は
8月までに計画書を出しておく
多くの地域で令和6年10月から最低賃金が改定される方向になっています。
個人的には、8月までに計画を出しておくとよいのではと感じています。
理由はいくつかあるのですが、業務改善助成金の計画を出してから交付決定通知書が届くまでに約1か月かかるとなっていることが大きいです。
10月以降に実施する計画となると、実施時点での最低賃金に対してどれくらいの賃上げをしたのかで見られてしまうということが影響してくる可能性があります。
現在の事業所内最低賃金が地域別最低賃金から+50円以内で、設備投資を検討されている事業所はそろそろ動き出しておく方が良いかもしれません。
もし、今のところは+50円以上であっても、改定後に+50円以内となるのであれば対象となりますので10月を待つのも選択肢の一つとなります。
終わりに一言
設備投資や賃上げは必要な投資ですが、良いタイミングで行えば助成金の対象となることもあります。前もって計画を立て、うまく活用していきましょう。
業務改善助成金の申請にお困りの方や、対象か気になる方は無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。