賃金の引き上げと働き甲斐

営業支援

東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社労士・コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
人事に関わる仕事をしていると従業員の退職や賃金交渉の話についてのご相談をよく受けます。
特にサービス業では、従業員の仕事に対する向き合い方がお客さまの満足度にも影響しますので無下にできないのが難しいところです。一方で、賃金をあげれば解決するのかという点には疑問もあります。

さて、今回は賃金と従業員の働き甲斐について以下の3点にまとめました。

  • 賃金額と生産性
  • 賃金とモチベーション
  • やりがいを高めるために

賃金額と生産性

20年以上ほぼ横ばい

賃上げは国策としても動きが活発になっています。少し前の情報になりますが、厚生労働省の「労働経済の分析(令和5年度版)」をもとに情報を見ていきたいと思います。

名目賃金はと名目労働生産性は1970年代から1990年にかけて大きく伸びていますが、1990年代以降はほとんど伸びておらず横ばいで推移しています。

他の国のデータと比べても非常に低い水準となっており、1996年以降ほぼ横ばいとなっています。
産業別のデータもありましたが、どの産業でも同じ傾向が出ています。

賃金を上げても、生産性が上がらなければ企業運営は難しくなります。生産性を上げるためのサポートもたくさんありますが、一つをやればすべてが解決するようなものはそんなに多くありません。

賃金とモチベーション

ハーズバーグの二要因論

企業がやっている事業がどのようなものであっても、ほとんどの場合は人が介在していて成り立っています。
どれだけキレイな店内であっても、スタッフの対応が悪ければ業績は伸び悩みます。
とても高性能な設備を導入しても、扱う人が手を抜いていれば生産性は上がりません。

社会保険労務士や中小企業診断士となるための学習では、従業員のモチベーションに関しても知る必要があります。その中で出てくるのが、アメリカの臨床心理学者であるハーズバーグ氏が唱えた、働く人のモチベーションには「動機づけ要因」と「衛生要因」があるという【二要因論】です。
モチベーションに関しての考え方は過去にもたくさんの人が様々な理論を提唱していますが、今回はこちらの理論を取り上げます。

動機づけ要因
(満足につながる要因)
達成
承認
仕事の内容
責任
昇進
衛生要因
(不満を引き起こす要因)
給与
福利厚生
人間関係
職場環境
会社の方針

二要因論には、「動機づけ要因」と「衛生要因」がありますが、具体的な内容は表にまとめた通りとなります。
動機づけ要因は、仕事や会社に対する満足感が高まる要因と言えます。具体的には、達成感や昇進や責任といったやりがいに関する部分が影響すると言われています。
一方で、衛生要因は、不満を引き起こす要因と言えます。具体的には、給与が決められた日に支払われなかったり、職場の人間関係が悪かったりするといった内容です。当たり前であるものが当たり前でなくなったときに不満足を持ちますが、当たり前だからと言って満足となるものではないのが難しいところです。

冒頭の話で、賃金交渉を取り上げましたが、従業員の離職を防ぐために賃金を引上げることが正しいかを考えます。給与が上がることは動機づけにも見えますが、実は衛生要因の一部でしかないと考えられています。
人は慣れてしまうとそれが当たり前になってしまいますので、昇給した直後はうれしくても数か月も経つと上がっている状態が当たり前となってしまうためです。
賃金を上げるのではなく、やりがいを持たせることが重要であると考えます。

やりがいを高めるために

客観的な指標を作る

離職率の高い会社を見ていると、社長の独断で給与や役職が決まっていることが多いような気がしています。
立ち上げと同じ流れで昇給や昇進を決めていると、やってもやらなくても同じだと考え始める従業員も出てきます。それを防ぐためには、客観的に分かるように明文化された目標や評価に応じた昇進や昇給という制度を作っておく必要があります。

目標にはある程度の高さで設定する必要があります。簡単すぎればすぐに達成してしまいますし、難しすぎると最初から諦めてしまいます。
また、動機づけ要因に承認と言う項目がありますが、従業員全員に「おはよう」と声をかけるだけでも違います。

賃金テーブルの作成や評価制度の制定は難易度が高いですが、求人をするときにも活きてきますし、離職率の低下にもつながる重要な要素です。

終わりに一言

人事制度の構築は会社によってバラバラですので、他の会社のものを流用できない難しさはあります。一部は助成金の対象となっていますので、うまく活用してみてはいかがでしょうか。
制度構築や助成金活用をお考えでしたら、お気軽にお問い合わせください。

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