東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
先日、第12回小規模事業者持続化補助金の採択事業が発表されました。弊所も無事採択されることとなりました。
さて、今回は小規模事業者持続化補助金について以下の3点にまとめました。
- 小規模事業者持続化補助金とは
- 補助の対象となる範囲について
- 弊所の今後の方向性
小規模事業者持続化補助金とは
制度の趣旨
令和5年9月7日に第13回が締め切りとなりました。まだ次の回の記事は見当たりませんが、13回も続いているので、これで終わりということはないと考えています。
趣旨については、公式サイトに掲載されている情報を引用します。
小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助いたします。
https://r3.jizokukahojokin.info
こちらの案内から分かることは、次の通りになります。
- 小規模事業者等を対象としている
- 経営計画が必要である
- 販路開拓や業務効率化が対象である
- 経費の一部を補助している
こちらは商工会議所地域を参照しています。別で商工会地域がありますが、内容はほぼ同じだと思います。
販路開拓や業務効率化のための経費と考えると十分な額が補助されると感じます。
もっと大きく変えていきたいということであれば、別の補助金や助成金も視野に入れてみると良いかもしれません。
採択率の推移
比較的採択されやすいと言われる補助金ですので、参考までに過去の採択率と採択までにかかる日数を調べてみました。
実施回 | 申請締切日 | 採択発表日 | 審査期間 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
第12回 | 2023年6月1日 | 2023年8月23日 | 83日 | 13,373件 | 7,438件 | 55.6% |
第11回 | 2023年2月20日 | 2023年4月27日 | 66日 | 11,030件 | 6,498件 | 58.9% |
第10回 | 2022年12月9日 | 2023年2月6日 | 59日 | 9,844件 | 6,248件 | 63.5% |
第9回 | 2022年9月20日 | 2022年12月25日 | 96日 | 11,467件 | 7,344件 | 64.0% |
第8回 | 2022年6月3日 | 2022年8月31日 | 89日 | 11,279件 | 7,098件 | 62.9% |
第7回 | 2022年2月4日 | 2022年4月27日 | 82日 | 9,339件 | 6,517件 | 69.8% |
第6回 | 2021年10月1日 | 2021年12月22日 | 82日 | 9,914件 | 6,846件 | 69.1% |
第5回 | 2021年6月4日 | 2021年8月31日 | 88日 | 12,738件 | 6,869件 | 53.9% |
第4回 | 2021年2月5日 | 2021年4月28日 | 82日 | 16,126件 | 7,128件 | 44.2% |
第3回 | 2020年10月2日 | 2021年1月22日 | 112日 | 13,642件 | 7,040件 | 51.6% |
第2回 | 2020年6月5日 | 2020年8月7日 | 63日 | 19,154件 | 12,478件 | 65.1% |
第1回 | 2020年3月10日 | 2020年5月22日 | 73日 | 8,044件 | 7,308件 | 90.9% |
採択率は第1回の異常に高かった時を除き、概ね60%前後で推移しています。
これを見る感じ、初回だったので甘めに審査したら多くなりすぎて、第2〜4回は厳し目に見てしまったのかなと想像してしまいます。
採択までにかかる日数は、すべて平均すると81日、直近5回ですと79日となっており、概ね2ヶ月半くらいはかかるようです。
まだよく分かっていない時に、結果出るまでにだいたい1ヶ月半くらい、と言われたのですが、ちゃんと調べてみると2ヶ月以内に結果が出たことは1度しかありませんでした。
自分でも調べ直すことと、正しい情報の見極め方が大事だなと改めて感じました。
補助の対象となる範囲について
補助金に限らず、助成金にも言えることですが、公募要領は毎回最新のものを確認するようにしましょう。
改定されていることが多くありますので、前回は対象だったものが今回対象外になっていたり、その逆もあります。
申請したいと考えている回の公募要領をチェックして対象がどうかを精査してください。
ということで、ここでは直近の第13回の公募要領をもとします。
補助対象者と補助対象事業
最初に確認しておきたいのは、自社が小規模事業者であるか否かです。
担当している機関により、中小企業や小規模事業者の考え方が異なります。揃えてほしいものですが、そうもいかない理由があるのでしょう。
ここでは以下に該当する事業者が小規模事業者となります。
該当していても、大きな会社の子会社、社団法人や医療法人は補助対象外となっています。
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 常時使用する従業員数が5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員数が20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員数が20人以下 |
さらに他にも要件があり、すべてを満たす事業者が対象となります。
経営計画の提出、商工会議所の指導を受ける、他と重複して補助を受けていない、などですがよく考えたら当たり前のことが書かれているだけでした。
対象か分からないという時はお問い合わせください。弊所で調べて回答します。
補助上限額と補助対象経費
弊所が申請したのは一般枠でしたが、他にも賃金引き上げ枠、創業枠など全部で5つの枠がありました。
さらに、もうすぐ始まるインボイス特例というものも用意されていました。
補助率は一律で2/3となっており、枠によって補助上限額が異なります。
一般枠は50万円で、それ以外の枠は200万円となります。
インボイス特例だけ併用ができますので、該当となれば上記に50万円が上乗せされることになります。
補助対象経費は、機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費などに分かれています。
自社とそのサービスを知ってもらうためにチラシを配布したり看板を出したりするための費用はどうしてもかかってしまうので、補助が出るのはありがたい限りです。
ここでの注意点は、ウェブサイト関連費の割合は、総補助額の1/4までしか認められないというところでした。
どの程度の仕上がりでいくらになるか不明瞭な分、過去に色々あったのかなと想像してしまいました。
お陰で上限が決められてしまい、大変になりました。
弊所の今後の方向性
事業を支援できる幅を広げていきたい
今回は小規模事業者持続化補助金が採択されたため、こうして書いてみました。
今までは、経営改善や売上拡大を主な仕事としてきました。一部で、新規出店や新規事業の内容を聞き、見通しを一緒に考えて行ったこともあります。
しかし、資金繰りについては社長に任せており、実務に即したアドバイスは具体性が話せないためあまりしてきませんでした。
自分で体験してみないと分からないと考えた末に、金融機関と日本政策金融公庫からの融資や小規模事業者持続化補助金の申請をやってみました。それなりに時間は使いましたが、自分で経験したことなのでアドバイスできる幅は増えたと感じています。
実際にチラシを配布しての効果やウェブサイトを作成しての効果など、補助事業を行った結果報告のためにまとめますので、準備が出来次第公開していければと考えています。
もし、人事や資金繰りにお困りの事業者様や、独立を予定されている方がいらっしゃいましたらぜひお声がけください。
終わりに一言
申請から採択通知まで3ヶ月以上かかりました。ようやく補助事業に向けて動き出せます。