東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社会保険労務士・中小企業診断士】として企業の支援をしている元りく社労士です。
休憩時間の考え方は会社や社長によって差が大きいところだなと感じることが多くあります。正しく休憩時間を与えているのか、与えないとどうなるかを見ておきたいと思います。
さて、今回は、休憩の基本的な考え方と守らなかったときの罰則について以下の3点にまとめました。
- 休憩の基本ルール
- よくある間違い
- 休憩に関する罰則
休憩の基本ルール
従業員が自由に利用できる時間
休憩時間と聞くと、ランチに出かけたり、休憩室で食事や仮眠することをイメージします。しかし、職場によっては、昼食を自席でとりながら、電話や来客の対応をしているという声も聞きます。
休憩時間については、労働基準法第34条に、①労働時間に応じて決められた長さの休憩を与えること、②休憩は一斉に与えること、③休憩は自由に利用させること、の3つが記載されています。
①の時間数は以下の表のように決められています。8時間勤務で60分の休憩を与えているところが多いですが、法律を上回っているので違反ではありません。
| 6時間以内 | 与えなくてよい |
| 6時間超~8時間以内 | 45分以上 |
| 8時間超 | 60分以上 |
②の一斉に与えることは、第40条に特例が記載されています。
休憩を一斉に与えなくてもよいとされているのは、運送業、商業、金融・保険業、映画・演劇業、郵便・電気通信業、接客娯楽業、官公署の事業です。
そして、農業・畜産業・養蚕業・水産業に従事する者、管理監督者や機密の事務を取り扱う者、監視または断続的労働に従事する者は休憩の規程が適用されません。
肉体的や精神的な疲れを癒すことが目的ですので、③の自由に利用できないといけないのはその通りだと思います。
よくある間違い
途中付与の原則
学生時代のアルバイトでは、その日の仕事が忙しくてなかなか休憩が取れなかったときに、勤務時間の最後に休憩を取ったことにして早めに帰れたらなと思うことがありました。しかし、休憩は途中に与えなければならないことになっていますのでので、最初や最後に休憩を与えることは違反となってしまいます。
自由利用の原則
休憩は自由に利用できることになっていますので、どのように過ごすのかは労働者が決めてよいことになっています。
冒頭に出てきたように自席にいなければならないという決まりや、電話や来客対応の必要があると休憩できているとは言えません。
では、何をしてもよいのかというと会社の規律を守る上で最低限の決まりは許されています。
例えば、外出は施設長の許可制、政治的な活動の禁止などは就業規則に書かれている会社が多いかと思います。
手待時間
社労士試験でもよく出てくるワードですが、学習する前は耳なじみのない言葉でした。
手待時間とは待機時間と同じような意味で、具体的な業務命令があるわけではないが、指示があればすぐに業務に取り掛かれるようにしている時間のことです。
お客さんが来るのを待っている時間や、電話番をしている時間がこれに当たります。
待つことを指示していることになりますので、業務時間になります。
ランチミーティング
社内の打ち合わせを兼ねた昼食をランチミーティングと呼ぶようです。
この昼食に参加することが強制されていたり、不参加だと不利益になるような事情があると休憩とは言えなくなります。
昼食のときにたまたま仕事の話題が出てきたからすべてミーティングになる訳ではありません。社外との商談を兼ねた昼食はパワーランチと呼ぶこともあるようですが、これは間違いなく業務時間と言えると思います。
休憩に関する罰則
罰金刑もあり得る
休憩に関する法律に違反した場合、労働基準法第109条に書かれている通り6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の可能性があります。
忙しくても休憩時間は勤務の途中に与えなければなりませんし、労働者が休まなかっただけという言い訳は通じませんのでご注意ください。
休憩時間ではなく労働時間と判断されてしまうと、未払い賃金の支払いが発生することもあります。
そして、労災で事故が起きた場合や労働者の健康が害されてしまった場合に、原因が休憩時間の不足と見られてしまうと、治療費や慰謝料の支払いの可能性も出てきます。
終わりに一言
一度休憩時間が取れなかったからと言ってすぐに問題になることは少ないかもしれません。
ただ、これが常態化してしまい、結果として目に見える形で問題となったときのリスクは大きいと言えます。
社内で判断にお困りの場合は、ご相談や規則の整備も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
