給与の大幅な変更と標準報酬月額変更

社会保険

東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社会保険労務士・中小企業診断士】として企業の支援をしている元りく社労士です。
会社で働いている中で、継続年数や役職の変更によって給与が上がっていくこともありますが、逆に時短勤務になったり定年退職によって給与が下がることもあり得ます。
給与が上がるケースは以前にも記事にしましたが、今回は主に下がるケースについて触れたいと思います。

さて、今回は、給与の大幅な変更と月額変更の取扱いについて以下の3点にまとめました。

  • 月額変更届
  • 定年後再雇用
  • 育児休業明け

月額変更届

給与の大幅な変更で実施

月額変更届は随時改定をするための届出で、被保険者の給与に大幅な変動があった場合に提出します。
具体的には次の3つをすべて満たす場合に届出をして、4か月目から標準報酬月額が変更となります。
1.固定的賃金に変動があった
2.従前の標準報酬月額と改定後の標準報酬月額に2等級以上の差がある
3.固定的賃金が変動した日からの3か月間で、賃金支払いの日数がそれぞれ17日以上ある
※短時間労働者は少し要件が変わりますのでご注意ください。

よくある勘違いですが、賃金は上がっていても、それ以降の3か月間で給与の平均が下がっていれば対象にはなりません。
詳しくは過去に記事にまとめていますので、気になる方はこちらもご一読ください。

60歳~64歳の継続雇用

即時変更される

一般的な随時改定とは違うパターンが、定年後再雇用で給与が変更になる場合です。
定年退職後の再雇用では、一般的に賃金額は大きく下がることがありますので、この場合はすぐに変更されます。
加えて、60歳から64歳までの方で、定年前に退職してその後に1日も空くことなく継続雇用された場合は、再雇用された月から標準報酬月額が変更されます。
この制度は平成22年9月から施行されていますが、あまり認知されていない印象があります。

それまでは定年退職後の継続雇用以外は通常の随時改定と同じく、再雇用の月が大幅な変動があったとして、4か月目で随時改定の対象となっていました。
定年前に退職して継続雇用となった場合でもすぐに変更されるのは、賃金が下がったときの保険料負担が抑えられますのでよい制度だなと思います。

どのような場合に対象になるかは、年金機構の作成した資料が分かりやすいのでこちらの画像を見ていただくとよいかなと思います。画像をクリックすると元の資料があるURLにリンクします。

育児休業明け

4か月目に随時改定の対象

産後休業と育児休業を終えて職場復帰したときも、時短勤務を続ける方は多くいらっしゃいます。その場合も、賃金額が減っているケースが多いように感じます。
この場合は、復帰から3か月間に受け取った賃金額で随時改定をします。4か月目から標準報酬月額が変更することになります。

タイミングは4か月目からと同じですが、通常の随時改定と少し異なる点もありますので、要件の整理と異なる点を黄色で網掛けします。
1.従前の標準報酬月額と改定後の標準報酬月額に1等級以上の差がある
2.固定的賃金が変動した日からの3か月間で、賃金支払いの日数が1か月でも17日以上ある
このように、対象となりやすいような制度設計となっています。

終わりに一言

社労士として働いていてもあまりやることがないので、忘れてしまいがちな制度ではあります。
そういった意味では、日々学びがあってやりがいのある仕事だなと思いながら働けています。
社労士としてだけでなく、診断士としても企業に伴走支援をできるコンサルタントを目指しています。ご相談はお気軽にお問い合わせください。

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