就業環境とメンタルヘルス

資格試験

東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
働いていると様々なストレスを受けることがあります。それは就業の環境も大きく影響しています。

さて、今回は就業環境が与えるメンタルヘルスについて以下の3点にまとめました。

  • メンタルヘルスケアの意義
  • 管理監督者の役割
  • セルフケアの重要性

メンタルヘルスケアの意義

安全な職場と作るため

メンタルヘルス不調の原因は様々ですが、仕事からくるストレスを原因として不調を患う方は毎年一定数います。それにより休職や退職となることも多く、従業員の確保が厳しいと言われる中においてさらに人手不足が加速する恐れもあります。

令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)

厚生労働省が発表している労働安全衛生調査(実態調査)の令和3年の結果では、
ストレスの原因となっている項目は、男女合計では①「仕事の量」②「仕事の失敗、責任」③「仕事の質」の順になっています。
男女間で差がある項目は、男性は「顧客からクレーム」と「会社の将来性」、女性は「対人関係」が高くなっていることが分かります。

令和3年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況|厚生労働省
令和3年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況について紹介しています。

心の病が与える影響

作業能率が低下したり、長期間の休養が必要になることもあります。そうなってしまうと、周囲の従業員への負担が増加し全体的な成果が落ちてしまいます。メンタルヘルスケアは個人で行うだけでなく、組織全体で行なっていく必要があるものです。
対策を職場ぐるみで効果的に行なっていくことで、職場の活性化や効率向上が期待できます。 

法的な規制としては、安全衛生法の「労働者の安全と衛生を確保する」や「快適な職場環境の形成」、労働契約法の「安全配慮義務」などがあります。
労働者の健康を損なうことがないようにしなければならないということではありますが、効率よく働ける環境の方が効率がよくなるのであれば会社としても取り組んでおいた方が双方のためになります。

管理監督者の役割

求められていること

自社の方針を理解し、職場環境を改善し、相談対応をしたりと様々なことが管理監督者には求められています。
実際の行動は次の通りです。

職場環境の改善
メンタルヘルスは職場環境と大きく関係しています。上のグラフに出てきた項目(仕事の量や質、対人関係、クレームなど)の問題点を発見し、改善していくことが必要です。
業務分担を見て、特定の従業員に難しい業務が集中していないかや長時間労働が起こらないようにしていきます。
職場配置や人事異動は人事労務担当が行うため、ともに考えていく必要がある項目になります。

部下の状況を把握
身近なところで見ているから気づくことが多くあります。簡単なミスやトラブル、欠勤や遅刻などの「いつもと違う」行動が現れる前に善処していくことが求められます。
不調が深刻化する前に初期段階から状況を把握し、未然に防いでいきます。

相談に対応
思っている以上に部下からの相談はハードルが高いです。相談しやすい環境を作り、自発的な相談を促していく必要があります。
相談を受けた際は問題解決を目指すのではなく、感情や思いにも焦点を当てた「積極的な傾聴」が大切になります。
自分だけで解決するのではなく、専門部署などと連携して対応をしていきましょう。

セルフケアの重要性

ストレスへの気づき

長時間労働やストレスが病気やうつの原因になると指摘されています。
労働者にも自己保健義務があり、自分自身の健康を管理することが求められています。
ストレスを受けていることに気づき、溜め込まないよう予防していくことも必要ということです。

管理職には特有の問題も存在します。
昇進により責任が増えたことや残業代がなくなったことによるうつの症状、中間管理職という板挟みからくるストレス、名ばかりの管理職として過酷な労働環境による問題などが挙げられます。
管理職がそのような状況にならないようにしていくことも必要と言えます。

ストレスの予防

休養
身体の疲れを取るだけでなく、趣味や娯楽などを通じて心の状態を豊かに保ちます。
これが十分でないと精神状態に支障が出て、仕事の質や生産性の低下につながります。

睡眠
疲労回復のために非常に重要です。睡眠に問題があると、日中の眠気や作業のミスなどから労働災害の発生にもつながります。
メンタルヘルスだけでなく、高血圧や糖尿病などの病気のリスクもあります。眠れないという方は専門家への相談が必要になります。

運動
適度な運動はストレス解消や気分転換につながります。うつ病の症状改善にも効果があるとも言われています。
運動習慣は、睡眠の質を高める効果もあります。

食事
規則正しく栄養のある食事を心がけることが重要です。1日3回を意識し、栄養バランスも意識した食生活をしていくことがストレス耐性を高めることにもつながります。

終わりに一言

労働者が働きやすい職場が生産性向上や、定着率の向上にもつながります。

タイトルとURLをコピーしました