東海地方の田舎町で【コンサルタント事務所】を運営している元りく社労士です。
先日、行政書士試験がありました。受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
そんな行政書士ですが、ダブルライセンスが多い資格でもあります。
さて、今回はそんなダブルライセンスについて社労士との相性について以下の3点にまとめました。
- 社労士と行政書士
- 社労士と中小企業診断士
- 社労士とFP
社労士と行政書士
行政書士とは
まずは行政書士のお仕事ですが、行政機関に提出する許認可書類などの作成を行うことができる専門家です。年配の方ですと、代書屋と呼ぶこともある資格です。
街中にはたくさんの行政書士事務所があり、「街の法律家」として事業者だけでなく一般市民からの依頼も受けています。
行政書士になるためには、年に一度ある行政書士試験に合格する必要があります。
受験資格はないので、社労士の受験資格を得るために行政書士を取る人もいらっしゃいます。
試験では、商法や行政法と言った法律だけでなく、個人情報保護と言った一般知識の問題もあります。社労士と異なるのは、記述があると言うことです。
社労士との相性
では、社労士との相性はと言うと、とても良いです。
社労士は会社の社会保険や労働保険の手続きや人事労務の相談をするので関連性はあまりないように見えますが、許認可の申請までワンストップで取り扱うことができることで業務の幅が大きく広がります。
例えば、建設業や飲食店の許認可がきっかけで行政書士として依頼を受けた場合、そのまま社会保険関係の手続きも社労士として受けることができるようになります。
大都市圏は別にして、郊外には建設業が多くありますので、可能性はまだまだ残されていると言えます。
社労士と中小企業診断士
中小企業診断士とは
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対して診断や助言を行うための専門家です。経営コンサルタントとしての唯一の国家資格として近年高い人気があります。主には、経営戦略の策定や実行のためのアドバイスや、金融機関や他士業などとのパイプ役になることも多くあります。
中小企業診断士としての働き方としては、企業内診断士として働く方や副業や独立診断士など様々な働き方があります。
中小企業診断士になるためには、年に一度行われる一次試験と二次試験に合格する必要があります。一次試験は、企業経営論や財務などの学術的な知識から、経営法務といった法律の知識までとても幅広い知識が求められます。全体の合格率は20〜30%となっています。
一次試験に合格した後に二次試験となりますが、こちらが4科目あり一次試験との関連性はあるものの、記述式ということもあって別物の内容のような試験となっています。二次試験の合格率は例年18%台となっています。
一次試験と二次試験を一発で合格する確率は約4%と今回出てくる資格の中では最難関の資格と言えます。
社労士との相性
社労士を保有していて中小企業診断士を受験する方やその逆の方も多くいます。
一次試験の企業経営理論には労務管理が含まれていますが、それはまさしく社労士の範囲とかぶります。4問程度しか出題されないため、持っていると合格できるというものではありませんが、合格基準点がある科目で10点分を確保できるのは安心材料にもなります。また、二次試験では二要因理論などが出てきますが、これも社労士試験でも聞く内容ですので、取り組みやすさはあります。
中小企業診断士として補助金の依頼を受け、従業員が増えてきたら社会保険の手続きをするという流れもできます。
経営コンサルとして顧問契約を結んでおいて、社会保険はスポットで請け負うといったこともできます。
また、中小企業診断士には弁護士や税理士、会計士などの士業も多くいらっしゃるため、同じ診断士としての関係性を築くことができるのも大きな魅力です。
他士業の方との連携という面でも多くの場面での売上につながる可能性のある資格と言えます。
社労士とファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは
ファイナンシャルプランナーとは、買いたいものや将来の目標の実現ために相談者と共に考え設計をサポートしていく専門家です。家計はもちろん、税金、不動産、相続などのお金に関する知識を網羅的に持っている必要があります。
ファイナンシャルプランナーだけで仕事をしている人はそこまで多く知りませんが、保険会社の営業の方や個人の勉強のために持っている方は多くいらっしゃいます。
事業として行う場合の業務としては、個人の資産運用などのアドバイスをすることになります。その流れで、金融商品を提案するとなれば、保険会社や金融機関の扱っている金融商品と相性は良さそうですね。
ファイナンシャルプランナーには3級、2級、1級とあります。2級と1級には受験資格があり、3級の合格か実務経験などで2級の受験資格を得ることができます。
試験の範囲は、ライフプラン、保険、金融、税金、不動産、相続と多岐に渡ります。ここの試験範囲の中で、ライフプランには社会保険や雇用保険と言った社労士で勉強している内容が含まれています。
その他も細かい内容が問われるわけではなく、過去問と似た問題が出ることも多いため比較的短時間で取得できる資格と言えます。
社労士との相性
社労士として仕事をしている方の多くは事業主からお金をいただいており、個人からお金をいただくことはあまりありません。
しかし、ファイナンシャルプランナーは個人からお金をいただくことになるため、経営者や従業員さんの金融資産の相談を受けたりすることで業務の幅を広げることが可能になります。
保険、金融、税金、不動産、相続などは経営者の方の興味関心が高いジャンルでもあるため、相談に乗れるだけの知識を身につけておくことで、信頼を得ることにつながります。
注意点としては、実務を行う上では2級以上に合格していると良いと言うことです。合格の難易度は低いですし、CBTも始まるため受験の難易度は下がります。この機会に目指してみるのも良いのではないでしょうか。
終わりに一言
二つあるから稼げるものでもないのが資格の難しいところです。結局は営業ありきにはなりますが、国家資格にいくつか合格していることで自信を持って営業に取り組めるというメリットもあるのではと考えています。