日給月給と完全月給

労働法・労働保険

東海地方の田舎町、岐阜県美濃加茂市で【社会保険労務士・中小企業診断士】として企業の支援をしている元りく社労士です。
いつも給与計算や就業規則の作成をしていると、日給や月給の違いが明確でないことがよくあります。

さて、今回は、日給月給と完全月給ついて以下の3点にまとめました。

  • 日給月給と完全月給
  • 類似点と相違点
  • 選ぶ基準

日給月給と完全月給

一般的な日給月給

よく月給と言われているもののほとんどが実は日給月給です。
求人票にも月給○○円と書かれていますが、給与計算では日給月給で処理していることが多いです。

この制度では、給与や手当の額は月単位で固定されていますが、欠勤や遅刻、早退などの不就労時間があればその日数や時間数は固定されている額から減らされます。これは欠勤控除や不就労控除と言った項目で処理されています。

管理職に多い完全月給

完全月給でも求人票や労働条件通知書に月給○○円と書かれていることは同じです。
一般的に完全月給となっている方は役員や管理職などに多く見られます。それ以外にも一部の専門的な職種に就く方に適用している場合もあります。

この制度では、病気や私用で遅刻や早退、欠勤をしても原則として給与から控除されることなく満額が支払われます。

類似点と相違点

類似点

どちらにも共通しているのは、残業代の支払いは必要だという点です。
管理職が労基法第41条に定められている管理監督者であれば時間外の適用は除外されますが、そうでない一般の労働者で完全月給が適用されている方であれば残業代の支払いが必要になりますので注意が必要です。
たまに、完全月給だから残業代を支払わないとおっしゃる経営者の方もいらっしゃいますが、それでは後々のトラブルの種を残してしまうことになります。

また、どちらを選んでいるのかということを明らかにしておいた方がよいという点も共通しています。
一般的には就業規則に書かれていることがほとんどですが、従業員が少なくてまだ作成していないとこの辺りの基準があいまいになってしまいます。作成していても閲覧可能な場所に置かれていないということもよくあります。就業規則に書くこととあわせて、労働条件通知書にも明記しておくとより安心です。

相違点

相違点の一番大きな点は「欠勤控除の有無」です。
前述の説明にもありますが、完全月給は不就労時間があっても控除されないという契約をしているので、控除することができません。
労働基準法では、「ノーワークノーペイの原則」がありますので、働いていない時間の給与を支払う義務はありません。ただ、完全月給として契約をしているのであれば、原則が適用されないため支払わないといけないということになります。

また、不就労時間の控除や割増賃金を計算する際の単価にも注意が必要です。
日給月給では原則として年間の平均所定労働時間を使って求めますので、所定労働日数が少なくなりがちな2月であっても、同じ計算方法で求めます。
月によって変えてしまうと、単価が変わってしまうことになりますので、過払いや未払いが起きてしまう可能性もあります。

選ぶ基準

会社の状況で判断

どちらを選ぶかは難しいところですが、自社内で給与計算をする手間を減らすのであれば完全月給が楽です。逆に社労士や税理士などの外部に給与計算を委託するのであれば、日給月給で処理してもらう方がコストを抑えることができるかもしれません。
最初から計算の手間を減らしたいために完全月給としてしまうと、休職した従業員の分の支払いで経営に支障が出ることもありますので注意は必要です。

視点を変えて労働者側から見ると、完全月給では毎月の給与が固定されるため安心して働くことができる一方で、勤怠が悪い労働者を雇い入れてしまうと無駄なコストの増加につながりかねません。

日給月給完全月給
メリット休んだ分の給与を支払わなくてよい欠勤控除がないので給与計算がラク
従業員が安心して働ける
デメリット長期休養の際に不安がある休んでいる分も支払いが続く

終わりに一言

日給月給と完全月給のどちらを採用している会社も見かけますが、それぞれに一長一短はあると感じています。労働者に明らかにしておくことを忘れずに、会社の状況に合わせてよい方を採用すればよいかと思います。
検討段階でお困りの場合や、給与計算でお困りの場合は委託も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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